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「赤本」
大学入試シリーズ
東北大学2001年度版

受験生特集号3面・書評

赤本

 あれから2年、久しぶりに赤本を手にすることになった。本屋の赤本コーナーの前に並ぶ受験生たちをかき分け、平積みになっている赤本を取り上げる。

 特に代わり映えの無いデザイン。やっぱり赤い。私が使っていたころと比べても、せいぜい年度の数字が変わったくらいか。

 さて、この「赤本」という名称、持っている受験生の方々はご存知と思うが、正式な名称ではないようだ。この本の表紙のどこを見渡しても、「赤本」という言葉は見つからない。正式名称は「教学社大学入試シリーズ」で、赤本はただの俗称のようだ。

 だが、公式にはその名前が全く使われていないわけではない。「赤本」の2文字を探してみると…あった、教学社のホームページ上。タイトルが、「赤本WEBSITE 」。その他、教学社の出版している「風呂で覚える…」シリーズの帯に、「赤本から選んだ一千語」等、一応、教学社でも使ってはいるようだ。だが、当の赤本にはその名前は使われていない。なぜか?

 「赤本」を辞書で引いてみた。

 あかほん【赤本】(「あかぼん」とも)…3、低級で粗悪な本。俗受けをねらって売りだす内容、体裁ともに低俗な本。(1988/ 国語大辞典(新装版)(c) 小学館 1988 )

 なるほど、あまり使いたくない言葉かもしれない。確かに使っている紙は、多少低級で粗悪…な感じもする。しかし、恐らく俗受けをねらおうと思って売っている本ではないはずだ。もし俗受けをねらっているとしたら、それを喜んで(?)買っている受験生はどうなるんだ。

 書店に構えられた、「赤本コーナー」などは、わけがわからない。学参の売場の中に、赤本(=低俗な本)のコーナー…?「教学社大学入試シリーズ」は、赤本であって、赤本ではない。

 東北大学の過去問題集は、この教学社の赤本のほかに、駿台出版の青本がある。赤本は、かなりの数の大学を網羅してはいるが、青本に比べると問題の解説など、少々、不満な点もある。だが、大学紹介などのオマケがあるのは、赤本の特徴であろう。

 『理系―前期日程』のオマケを見てみる。大学案内の大半は、大学が無料で配っているパンフレットを丸写しにしたもので、「こんなもので金を取るな」と言いたくなるようなものが多い。だが、大学によってはインサイドレポートなどの現役の大学生からの投稿なども読める。

 とはいえ、断りにあるように、「個人的な体験談やほんの一部の意見にすぎない」確かに、その通りであるが、志望校の情報が少しでも手に入れば心踊るもの。きっと受験生のみなさんは大学生活に夢を膨らませたに違いない。

 でも、大学生活への妄想を失ってしまった我々大学生の立場から読んでみると、特に大したことが書いてあるようには思えない。その上、時々ウソもあったりする。「×たいていの人は大学の近くに部屋を借りて自転車で通い、1人暮らしをしています」→「○たいていの人は大学の隣の山に部屋を借りて原動機付自転車で通い、…」…等。

 これが大学生活の全てなどと思ってしまう受験生はいないと思うが、オマケはオマケ、信用はできない。やっぱり、「俗受けねらい」と、思っておこう。真相は、入学後、お確かめください…。  


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