東北大学新聞:

狙われる大学 学内盗難事情

 98年11月2日、理学部で盗難事件が起きていたことがわかった。3つの研究棟で合わせて5つの部屋が物色され、現金やカメラ等が盗まれていた。プロの手による犯行と見られている。(289号3面・大学)

 その日の午前11時頃、研究室にやってきたある教授が、自分のカメラがなくなっていることに気付いた。さらに学生のMDプレイヤーもなくなっていることが判明。この事態を受けて各研究室・事務室で点検をを行ったところ化学・生物・地学の3つの建物で合わせて5部屋が被害にあっていることがわかった。

 被害にあった部屋は、一見何も変わった様子がなかったという。また部屋の鍵も壊されておらず、実際、前述した教授も普通に鍵を開けて部屋に入っている。このことから犯人は鍵を開けて侵入し、痕跡を残さぬように部屋を物色し、鍵を閉めて部屋を出たものと推測され、相当のプロによる犯行と見られている。ちなみに鍵の管理は各研究室と学部で厳重に行っているとのことで、内部の犯行は考えられていないという。

 今回の件を受け、理学部では掲示を行うなどして注意を促している。今までのところ、犯人についての情報は理学部に入っていない(3月25日現在)。


 盗難事件が起きているのは、何も理学部に限った話ではない。

 文学部では、年に1~2件は何らかの盗難事件が起きている。大きなものでは、96年末~97年始に現金等約35万円が盗まれるという事件が起きている。しかし、ほとんどは被害がわずかであることと、盗まれた側にも落ち度があることを理由に警察には届けていないという。

 工学部では96、97の2年間で3件の盗難事件が起きている。いずれも研究室から現金等が盗まれるというもので、最大で45万円の被害にあっている。ちなみに3件のうちで、犯人が捕まったのは1件だけである。

 農学部では97年に2件の盗難事件が起きている。4月には現金20万円程度が、10月には学生のノートパソコンが盗まれている。

 このように大学が狙われる背景には、その特殊性があるという。

 大学の建物には普段利用する学生・教職員だけでなく、一般市民や業者も自由に出入りできる。ある意味、非常に無用心なのだ。また、使用時間も制限されていない。管理する事務側としてはできれば使用時間を制限したいとのことだったが、使用する者の利便を考えると、実現は難しそうだ。
このような盗難に対して、何らかの対策を行っているところもある。

 農学部では、98年の6月ごろから一部の研究棟に施錠管理システムを導入している。このシステムのある建物に入るにはカードが必要となり、許可のないものは入ることができない。農学部では「いずれはすべての建物に導入したい」としている。同様のシステムは、理学部の付属施設でも導入されている。

 しかし、このような例は少数であり、ほとんどの場合は金銭の管理や施錠に関する注意を促す程度に留まっている。建物の使用を規制するのが困難な上、何かしようにも予算が確保できないという事情があるようだ。

 被害にあったケースを見ると、不用意に現金を置いておくような例が見受けられる。やはり最後は本人の注意の問題である。多くの方が強調されていたが、やはり研究室に貴重品を置いておかないことが大切なのである。

Copyright (C) 東北大学新聞