東北大学新聞:

情報科学研究科中野栄二教授の研究グループリハビリ用自転車を開発

本学大学院情報科学研究科の中野栄二教授の研究グループが、電気刺激で足の筋肉を動かし、下半身が不自由な人でも自分で漕ぐことのできる四輪自転車を、世界で初めて開発した。自転車での移動を楽しみながら足の筋肉を強化できるなど、リハビリテーションに大きな効果を持つ。 (314号)

この自転車に乗る患者は、左右の足に四箇所ずつ電極を貼りつける。電極から末梢神経を通じて、足の筋肉へ機能的電気刺激(FES)が送られる。刺激を受けた患者の足が動き、ペダルを漕ぐ。

自転車には足の位置と速度を感知するセンサーが取りつけられている。センサーから得た情報をもとに、コンピューターでペダルを動かすのに必要な力を計算し、電気刺激の強さ、送るタイミングを制御する。患者の筋力が足りないため、電気刺激を送ってもペダルを動かせない場合は、備え付けのモーターが移動を助けるので、坂道でも上ることができる。

マヒしている足を電気で刺激し、動かすことは、筋肉や骨の強化、血行の回復につながる。さらに、体の新陳代謝も促進されるという。これまで、リハビリテーションは室内で行われるもの、つらいものというイメージがあったが、この自転車が導入されれば、それらの固定観念を大きく覆すことになる。

研究グループはまた、この自転車と同じ原理で動く足こぎ車椅子を開発した。四輪自転車の開発を知った半田康延教授(未来化学技術共同研究センター)の依頼で製作に取り組んだもので、室内を移動しながら健康を取り戻すことができる。また、手が車輪から解放されることで、両手を自由に使うことができる。この車椅子は昨年十月、全国障害者スポーツ大会で公開され、見学者達に好評を博したという。

 四輪自転車、足こぎ車椅子の導入は、大きな可能性を持っている。「普段の生活がそのままリハビリテーションになる他に、室内では手を自由に使えることで仕事の幅が広がる。屋外では人の手を借りないで、自分の力で移動することで、人間としての尊厳が回復できる」と中野教授は話す。今後、研究グループでは四輪自転車、足こぎ車椅子ともに改良を進めていく。早ければ来年にも、足こぎ車椅子が商品化されるという。

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