検証コンピューターウィルス被害本学現状と対策は
現在、情報化が進んでいるなか、コンピュータは爆発的に普及している。それと同時に、コンピュータウイルスの被害も増加している。 (314号)
コンピュータウイルスは、コンピュータシステムやソフトウェア、フロッピーディスクなどに進入した後、増殖し、データなどを破壊するプログラムである。ウイルスの感染の原因には、電子メールの添付ファイルによるもの、Webページからのダウンロードによるもの、フロッピーディスクやCD-ROM等の外部媒体によるものがある。
本年度九月十八日に世界中で発見された、コンピュータウイルス「Nimda」による被害は、東京大学をはじめ日本中の大学で報告されている。本学の被害状況はどうであったのか。
本学のコンピュータの大部分はネットワークでつながっているので、対策を怠るとネットワーク全体にウイルスが広がってしまう可能性がある。本年度七月三十一日から十一月十九日までの約三ヶ月半の間に、総務部に届けられたウイルスの被害件数は十九件、感染したコンピュータは五十一台にもなる。感染したウイルスの種類の内訳は、九月十九日に本学で被害が確認されたNimdaは四十五台、SIRCAMは十三台、MTX.Aは二台であり、Nimdaの被害が非常に多い。また感染は、電子メールの添付ファイルによるものが多い。
感染後は、専用のウイルス駆除ソフトの使用、感染したファイルの削除、コンピュータを初期化するなどの対策を行ったため、大部分のコンピュータは完全にウイルスを駆除している。しかし一部のコンピュータは、専用の駆除ソフトでは駆除しきれず、総務部に被害状況を届ける段階で完全に駆除できていないケースも見られる。
このような被害を受けて、本学はコンピュータウイルスに対して、どのような対策をしているのか。また、さらに増加すると考えられるコンピュータウイルスの対策はどのようなものを予定しているのか。
事務局では、情報化システムの基盤整備を行うことを目的とし、本年度十一月一日付で事務情報化推進室を設置した。これまで各事務職員のパソコンのウイルス対策は、個人が独自に対処しており、満足な状況ではなかった。今後は、事務情報化推進室が中心となり、事務系の全ての電子メールを自動でウイルスチェックする環境や、各事務職員のパソコンのウイルス対策を一元管理できる環境を来年度までに整備する予定である。
各学部間のネットワークは、リアルタイムにアンチウイルスソフトで管理している。しかし、大学全体の総合的なコンピュータウイルスの対策はまだ確立していない。つまり学部内での対策は、各学部に担われているのが現状である。
さらに学生に広く利用されている川内の情報シナジーセンターでは、電子メールはUNIXシステムでしか送受信できず、現在主流の、windowsシステムに感染するウイルスによる被害は受けない。昔はUNIXシステムに感染するウイルスも広く出回っていたが、現在ではあまり流通していない。
また大学は一九九九年に「コンピュータネットワーク安全・倫理に関するガイドライン」を定めている。コンピュータウイルスなどの損害を与える有害なプログラムの実行や配布をしてはならないと明記し、大学関係者や学生に注意を呼びかけている。
情報シナジーセンターの曽根秀昭教授(ネットワーク研究部)は、「総合的なウイルスの管理システムが導入されても、それに安心することなく、個人個人が日頃からウイルスに対する意識を高めておくことが大切だ」と対策の重要さについて語った。
<語句説明>
Nimda=二〇〇一年九月十八日に発見され、急激に世界中に広まったファイル感染型ウイルス(感染プログラムを実行すると他のファイル一個か複数個に感染する)。自分自身を電子メールの添付ファイルで大量にメールを送信する。Windows95/98/Me/NT/2000システムに感染する。
SIRCAM=二〇〇一年七月十八日に発見されたトロイの木馬型ウイルス(ほかのファイルやシステムに感染活動を行わず単体で動作する不正プログラムのこと)。さらに電子メールに自身のコピーを添付してネットワーク上で増殖する。さらにメール送信を行ったマシン内のマイドキュメントのフォルダから無作為に選んだ特定の形式のファイルを添付する。 windows95/98/Me/NT/2000システムに感染する。
MTX.A=二〇〇〇年八月三十一日に発見されたファイル感染型ウイルス。Windows9xシステムに感染する
