全学教育、新カリキュラムへ本年度から全面的に導入
前年度より一部取り入れられていた全学教育の新カリキュラムが、本年度から入学者全員に適用されることになった。この新カリキュラムは、二〇〇〇年度四月十八日の本学評議会での、全学教育改革検討委員会の報告に基づき承認されたものである。 (315号)
旧教養部が廃止された一九九三年度以降の全学教育の開始当初と比べると、情報化や国際化はさらに促進されており、時代にマッチした新しい基盤教育が必要になっていた。また今までの全学教育では、学生は進路のことなどを直接、教官に相談することが難しかった。学生相談所にも進路やカリキュラムなどに関する相談が増えており、授業評価アンケートにもこうした全学教育への不満があった。
今回の改変の大きな目玉に基礎ゼミや健康科学の開始、実践英語の導入、情報教育の更なる重点化が挙げられる。
まず「基礎ゼミ」であるが、前年度は一部の学生だけの受講だったが、本年度から基礎ゼミの開講クラスが百四十四となり、本格的なスタートを切ることになる。この基礎ゼミは学部を問わず新入生を希望ごとに二十人程の少人数クラスに振り分け、各クラスに課題を与えるものである。
テーマは「宮城の漁業」や「風力発電」などバラエティーに富んでいる。一つのテーマを通じ、大学での学問に取り組む姿勢を身に付けることを目的としている。星宮望副総長(大学教育研究センター長)は「フィールドワークや少人数での討論により学生主体で調べる態度を養う授業を目指したい。また受け持ちの教官に大学生活のことを相談できるのでは」と語る。
また「実践英語」は、ディスカッション能力といった、国際的に通用する英語力を持つ人間の育成を目指すことになる。新カリキュラムではTOEICやTOEFLや英検といった外部試験による単位認定を大幅に取り入れることになる。今後はコンピューターによる自主学習システムの開発や、文系学生の外部試験の義務化なども考えているという。
今回スタートする「情報基礎」の授業は全学生に必修となる。この授業では本学の学生すべてがコンピューターを使えるようになること、また使う上での倫理観などを養うことを目的としている。ゆくゆくはコンピューターの能力別指導を行っていく考えだ。
さらに今回の新カリキュラムでは、保健体育科目の一環として「健康科学」という講義が開設される。本学医学部付属病院では現在、臓器移植を含め最先端の医療が行われている。この健康科学は付属病院で実際に最先端の医療にあたっている教官が講義にあたり、これらの教官から生活習慣病などの正しい知識を受けることになる。
このように全学教育に力を入れるとともに、川内北キャンパスの教育環境も大きく見直すことになった。学生の授業評価アンケートでも川内北キャンパスの教育環境の整備を求める声が増えていた。
これを受け、大学はC棟の机の入れ替えやトイレの改修、さらには大教室の冷房や電子掲示板の設置を行い、施設の充実を図った。全学教育環境の充実を目的とした新講義棟・マルチメディア総合研究棟も現在、川内北キャンパスに建設中である。さらに学部ごとに新カリキュラムの相談窓口の設置を行い、学生の新カリキュラムに関する質問や悩みを受けることになる。
改変について、星宮副総長は「これまでの全学教育では学生がなおざりにされてきたのではないだろうか。また、十八歳人口減少によって、周りの同年代の人たちがほとんど大学へ行く時代になった。そのため昔の教育意識では対処できない部分が出てきた」と話す。
研究に力を入れる本学では、とかく大学院に目が行きがちだが、今回の全学教育のカリキュラム改変により川内北キャンパスでの授業にもさらに力が入ることになる。
