東北大学新聞:

開始から1年単位互換制度の現状と課題

単位互換制度が始まってから、はや一年が経過する。大学教育の活性化と充実を図るとともに、意欲ある学生に多様な学習機会を与えることを目的としたこの制度の初年度はしかし、あまり学生に利用されずに終わった。二年目を飛躍の年とし、単位互換制度を発展させるためには、どのような課題があるだろうか。 (316号)

単位互換制度は、他大学で履修した科目を所属大学の単位として取得できる制度である。仙台圏の十七の大学、短大が参加しており、各大学はそれぞれ特色ある科目を提供している。

 単位互換制度を利用する学生は各学部、および川内北キャンパスの教務窓口にある各大学の要綱を見て、履修したい科目を探す。その後、各学部および大学教育研究センターに申請書類を提出し、本学の入試課を通して各大学に送られる。受け入れ大学では、人数の制限などから選考を行い、各大学に報告。入試課を通して、学生に履修許可が通知される。

今回、本学からは六名の学生が他大学で履修し、本学は十二名の学生を受け入れることになった。ちなみに、昨年度本学でこの制度を利用した学生は四(前期三、後期一)名。また、本学が受け入れた学生は延べ十二(前期八、後期四)名である。他大学で制度を利用した学生も、本学と同様の数だという。

単位互換制度を利用する学生は一年目からほとんど増えていない。しかし、本学は利用者を増やすために、積極的に対策を講じてきた。

例えば、本学は今年度、単位互換制度のために開放する科目を大幅に増やし、昨年度の九科目に対し八十七科目とした。これは学部の専門科目も開放すべきという学内の意見を反映し、全学教育科目のほか文学部、工学部、農学部の専門科目を加えたことによる。また、昨年度は申し込みの期日を三月までで締め切っていたが、今年度は四月十五日まで延ばした。

さらに、学生への広報にも力を入れた。それほど目立った活動を行わなかった昨年度に比べ、今年度は学生便覧に制度についての記述を載せる、各部局にポスターを貼るなどの対策を講じている。

それでも、利用者の数は伸び悩んでいる。その原因として、まず学生が各大学に赴いて授業を受けるうえで、移動に時間がかかること。次に、改善されてきてはいるが、まだ学生に広報が行き届いていないといったことが挙げられる。だが、それらを考慮しても、制度を利用している学生は少ない。根本的な問題として、仙台の学生に、他大学で授業を受けたいと思うほどの学習意欲が備わっていないのだ。

また、単位互換制度を利用してはいても、現実には単位を取得できなかった学生は多い。

昨年度、本学から単位互換制度を利用した学生は四人いるが、一人も単位を取得していない。全員が途中で授業を放棄し、試験さえ受けなかった。各大学への移動がつらかったのだろうという見方もできるが、他大学から本学で履修した学生がほとんど単位を取得した状況を見ると、それだけで片付けられる問題ではない。

 本学教務第一掛の小暮恒夫掛長は、こうした状況について「まだ始まって二年目なので、他の大学から意見は出てきていないが、二、三年やっても利用者が伸びなければ、対策を考えるだろう」と語る。本学としては、学生の意見を反映するために、単位互換制度を利用した学生にアンケートを取ることを検討している。

 これから単位互換制度を発展させるために必要なことは、ただ科目数を増やすことではない。学生に制度についての理解を深めてもらい、大学と学生の足並みをそろえることこそ必要なのではないか。単位互換制度が始まって一年。まだこの新しい制度は仙台に根付いていない。

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