理学研究科小薗教授シーボルト賞受賞
ドイツのフンボルト財団から、日本の優れた科学者に贈られるシーボルト賞を、本学理学研究科数学専攻の小薗英雄教授が受賞した。今回で二十四人目(本学では三人目)となる受賞者のうち、数学者は初めて。 319号
小薗教授は、数学を使って物理の現象を解析する数理物理学が専門。今回の受賞は、「ナビエ・ストークス方程式」を解く研究が評価された。この方程式は、米国のクレイ数学研究所が二〇〇〇年に、「解いたら百万ドル」の懸賞金を付けた、現代数学の七大難問の一つ。水や空気などの流体の動きを方程式で解く。
小薗教授は、研究留学生としてドイツ滞在中知り合った、ドイツ・ボーダボルン大学の研究者と、共同で研究を進めている。これまでの研究により、ある初期条件を与えたとき、次の瞬間に流体がどこに動くか分かるようになった。
今後の課題はレイノルズ数が大きい場合の方程式を解くこと。レイノルズ数は流体の場を決める変数である。この変数が大きい場合の方程式を解ければ、流体の複雑な流れを追えるようになる。小薗教授は「今の天気予報が外れるのはナビエ・ストークス方程式が解けていないからだ」と話す。研究の成果が天気予報の精度向上などに貢献することが期待される。
シーボルト賞は、江戸時代末期に日本を訪れたドイツの医学者シーボルトにちなんだ賞である。一九七八年に当時のシュール西ドイツ大統領が来日したのを記念して創設され、日本とドイツの学術交流に貢献した日本の科学者に、毎年贈られている。小薗教授は「ドイツと言えば医学や法学がメジャーだが、数学が評価されて嬉しい」と受賞を喜んでいる。
