東北大学新聞:

片平まつり2002開催 最先端技術を楽しく学ぶ

 十月二十七・二十八日の二日間にわたり、「片平まつり2002」が、片平キャンパスと星陵キャンパスにおいて行われた。参加した研究所および研究センターは、金属材料研究所、多元物質科学研究所、加齢医学研究所、流体科学研究所、電気通信研究所、東北アジア研究センターである。 321号

片平まつりは各研究所および研究センターで普段、行われている研究を、展示と実験により一般市民に公開するイベントである。開催された二日間は土・日曜日だったため、キャンパス内では学生だけでなく高校生や親子連れも多く見られた。

公開された研究の内容は、専門性の高いものとなっていた。金属材料研究所では水素を使ったエネルギーで動く燃料電池、自動車の展示が行われていた。ここで利用されているのは、水素と大気中の酸素を化合させるとエネルギーが発生する仕組み。このエネルギーを利用して、排気ガスの出ない自動車や飛行機、船舶などを動かす構想を発表していた。

流体科学研究所には、胴体の両側に翼を付け、地面から、わずかに浮いて走る乗り物である「エアロトレイン」の原理や模型などが展示されていた。「エアロトレイン」は地面効果(地面の近くを翼が移動するときに、圧力差が生じ、翼に浮力が掛かる効果)を使っているため太陽電池と風力発電だけで走ることができる。

一方、身近な工学的現象を利用した体験型の企画も多く行われた。グラウンドでのペットボトルロケット手作り体験は子供たちに人気が集まった。完成したロケットが空へ向けて打ち上がるたび、歓声がわいた。

多元物質科学研究所の高分子化学を利用してスライムを作る企画や、技術室(ガラス工場)でのガラス細工体験など記念に作ったものを持ち帰ることができる企画も親子連れに好評だった。しかし中には、娯楽中心となってしまい専門的な分野の内容が薄れてしまった企画もあった。

また電気通信研究所では、本学からの卒業生でノーベル化学賞受賞者となり、田中耕一さん(島津製作所)の大学時代の写真や卒業論文の展示というものも見られた。この企画は年齢を問わず好評であったが、卒業論文に関しての内容説明がなかったため、専門知識を持たない人には分かりづらかった。

今回は二〇〇〇年に行われた「片平まつり2000」に比べ、市民への「楽しくわかりやすいイベント」が多く用意されていた。片平まつりに訪れた人が公開実験など何らかの形でそこで研究している内容に触れ合う機会が多かった。

多少研究の内容が薄れてしまった企画もあるが、一般市民に世界の第一線で活躍する各研究所および研究センターの活動内容と成果を分かりやすく説明するという、片平まつりの本来の意味を成し遂げていた。子供たちにとっては、世界に通用する最先端の科学に触れるだけでも得るものがある。未来の科学者たちを育てるためにも、本学はこういった企画を定期的に行うべきではないか。

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