東北大学新聞:

IT-21センター施設完成 e-Japan戦略の本格的研究開発開始へ

 十月十一日、片平キャンパスに二十一世紀情報通信研究開発センター(IT‐21センター)の施設が完成し、施設の開所式が行われた。同センターは「e‐Japan戦略」の「ITプログラム」分野において、本学に充てられた三件のプロジェクトを実施する。また、産学官連携による共同研究体制を整備していく。十月九日には、「e‐Japan戦略」において、共同で研究を行う企業が発表され、本格的に研究開発が始まった。
321号

「e‐Japan戦略」とは、IT国家への発展を目指すために政府が打ち出した国家プロジェクトである。IT‐21センターは具体的に「次世代モバイルインターネット端末の開発」「超小型大容量ハードディスクの開発」「高機能・超低消費電力メモリの開発」に取り掛かる。

 IT‐21センターは研究開発部と企画開発部の二つに分かれ、研究開発部はさらにモバイル分野とストレージ(記憶装置)分野とに分かれる。研究開発部は「e‐Japan戦略・ITプログラム」の研究を、企画開発部は、研究開発部と、その連携する企業を結びつける役割を果たす。

研究開発部モバイル分野の坪内和夫教授、ならびに礒田陽次教授の研究グループは「次世代モバイルインターネット端末の開発」を担当する。このプロジェクトには、NEC、松下電器、三菱電機、日本テレコムの四社が参加する。

研究開発は、大学と各メーカーの得意分野を生かすために、分担して進める。研究を進め、携帯電話をイヤホンサイズや名刺の薄さまで小型化するブロードバンド超小型無線端末の実現を目指す。

ストレージ分野の中村慶久教授及び青井基教授の研究グループは日立製作所、東芝、富士通および三菱総研と共同で「超小型大容量ハードディスクの開発」を担当する。このプロジェクトは、大学と企業の研究者が集合して集中的に共同研究を行う。

超高密度ストレージが実現すると、超小型のデータストレージが可能になる。家庭レベルでは、デジタル放送やインターネットなどを通じて送られる膨大な情報を、まとめて管理できるホームサーバが実現される。

「高機能・超低消費電力メモリの開発」については、大野英男教授が指揮を執る。このプロジェクトもストレージ分野と同様に産学集中型で進められる。開発によって、例えば待機時の消費電力がゼロで、かつ瞬時に起動するパソコンが実現する。

一方、企画開発部は、IT‐21センターの産学連携による研究開発を推進するために、学外との連携マネージメントや知的財産権の有効運用などを行う。具体的には、企業からのニーズと研究所の技術を結びつけ、両者の関係を調節し、共同研究へとつなげる仕事を担当する。

IT‐21センター企画開発部の松岡浩教授は「大学教授は研究成果を世間に広めるノウハウに乏しい。それを補うために企業の力が必要となる。企画開発部も産学連携を円滑に行い、IT‐21センターを成功させたい」と話した。

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