本学多元物質科学研究所 豊田中研と包括的に産学連携
十月十日、本学多元物質科学研究所(以下、多元研)は、トヨタ自動車などが出資する子会社「豊田中央研究所」(以下豊田中研)との間で、「包括的研究契約」を締結した。これにより、多元研の複数分野の研究組織が豊田中研と連携し、研究を進めることが決定した。 321号
協力にあたっては、通信、触媒、酵素など五つの研究テーマが設定された。豊田中研の研究者たちが多元研に出向き、今後の活動を行う。研究連携の予算は豊田中研が全額負担し、年間数千万円が見込まれている。
連携期間は約三年間を想定し、一年ごとに両者が活動成果の評価・見直しを行う予定。現段階では連携期間は三年のみとしているが、期間内における研究実績を検討し、場合によっては延長する場合もある。
豊田中研は以前から、優れた研究成果を取り入れることを目的として、本学多元研の個々の研究分野と協力関係を持っていた。しかしその場合、協力する分野が限られてしまうという欠点が見受けられていた。
一方、今回の包括的連携では、本学多元研の複数分野の研究所が豊田中研と協力することになる。多元研が持つ幅広い知的資源や設備を、豊田中研が活用するなどして交流を進めることが可能となり、両者の大きな期待が寄せられている。
研究組織が個別に産学連携を行う例は、多くの国立大学において以前からあったが、今回のような複数の研究組織が関わる「包括的」産学連携は、全国的に見ても珍しい。本学においても初の試みとなり、画期的なものと評価されている。
企業と連携することで、大学が獲得した研究知識やノウハウを社会に貢献することは大きな意義がある。また、大学が連携により受ける利点も少なくない。本学多元研の研究推進機構研究推進企画室長の貴志辰夫教授は「今回の包括的連携により外部から情報が得られ、さらに研究に対する刺激を受けられるため、大学研究の質の向上にも繋がる」と語った。
