東北大学新聞:

ノーベル賞受賞の田中さんに本学名誉博士号を授与

 十月三十一日、ノーベル化学賞の受賞が決まった本学工学部卒業の田中耕一さんへの学位記授与式が行われ、本学の名誉博士号が与えられた。場所は東京都千代田区の経団連会館で行われ、同時にノーベル化学賞受賞祝賀会も催された。 321号

学位記授与式には急きょ遠山敦子文部科学相も出席した。集まった本学OBの見守る中で、田中さんに阿部学長から本学の名誉博士号が授与された。

今回の名誉博士号授与は田中さんが「生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発」を受賞理由としてノーベル賞受賞が決定した事を受け、本学が決定したものである。

田中さんは昭和五十八年に本学工学部を卒業しているが、博士号は持っておらず、学位としては学士にとどまっていた。

 田中さんは昭和五十三年に本学に入学した。大学では工学部電気工学科、安達研究室に所属し、「損失性媒質とダイポールアレイの組合せによる平面波の吸収〔テレビ電波ゴースト防止〕」というテーマの卒業論文を残している。

 学生時代の田中さんは、教養部にいた時においては、ドイツ語の単位を落とし、二年生を二回経験するなど特に優秀というわけではなかった。

学部に入ってからは、優秀な成績を修めていた。目立たない学生ではあったものの、先輩の言う事をあまり聞かない我の強いタイプだったという。

田中さんの受賞について、田中さんが所属していた安達研究室を受け継いだ澤谷邦男教授は「直接面識はないし、目立たない人だと聞いてもいたので、受賞したと聞いてすごく驚いた。卒論とノーベル賞を受賞した研究は直接関係ないが、ノーベル賞受賞にあたっては、実験した結果が常識とは異なったものであったときも、柔軟な発想で取り組んだ事が良かったのではないか」と語った。

 また、田中さんは十月三十日に本学を訪問した際、本学の客員教授の要請を承諾している。どの学部、学科で教えるかなどの詳細については、まだ決まっていない。

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