東北大学新聞:

吉本新学長インタビュー 研究を中心に本学をアピール

 十一月六日、吉本高志医学系研究科教授が本学の第十九代学長に就任した。現在本学では国立大学の法人化に向けて、組織の整備が進められている。今回当部では、法人化後の大学運営の方針を中心に、これから本学が直面する課題や、学長自身について吉本新学長にインタビューを行った。 322号

――二〇〇四年に国立大学の法人化が行われ、大学間の競争がさらに激しくなると予想されるが、その中で吉本学長は本学のどのような特徴を、前面に押し出していく方針か?

 本学には、「研究第一主義」という理念によって培われてきた長い歴史があります。また昨年には、長期目標として様々な本学の方針を出してきました。これらの理念や方針などをさらに分かりやすくまとめて、本学の姿を世間に広くアピールしていこうと思います。例えば、長期目標の一つである「研究中心大学」という方針の下では、研究に力を入れた大学として、本学の姿をアピールできます。もちろん本学の方針を実現させるためには、学長としての責任を十分に果たさなければなりません。

――これまでの「研究第一主義」という本学の理念から、研究に関することが注目されがちだが、法人化された本学における教育環境の充実については、どのように考えているのか?

 教育というのは、大学の中でもすごく重要なものだと思っています。また、「研究第一主義」という理念は、立派な教育環境があって、初めて達成されるものだと考えます。今回、教育担当の副学長を置いたのは、教育を重視する考えを具体化したものであり、これまで以上に教育環境の充実を重視していきたいと思います。

――学生の中では、国立大学の法人化によって授業料が大幅に値上がりするのではないかという懸念があるが、これに対して吉本学長はどのように考えているのか?

 財務担当の副学長を中心にこれから検討していきますが、法令がまだ出されていない現段階では、授業料がどうなるかは具体的にはまだ見えていません。

――一部では、国立大学法人化によって、大学間の競争が過度に行われて、研究が疎かになってしまうのではという懸念もあるが…。

 私はそうは思いませんね。阿部前学長は、法人化することは、大学にとってチャンスであるとおっしゃっていましたが、私もその考えには賛成です。

――今年度の二十一世紀COEプログラムについて、本学は四分野において、五件の研究教育拠点計画が採択されたが、今回の五件採択という結果について個人的に吉本学長はどのように考えているのか?

 今年度採択されたのは五件ですが、採択されたどの計画も他大学の申請した計画に比べて、より優れた評価を受けたと思っています。採択件数においてしばしば他大学と比較されていますが、今回の五件通った計画を、五年間かけて世界的に優れた研究教育拠点に作り上げ、本学をさらに発展させることが大事なのではないでしょうか。あまり現時点での採択件数だけにとらわれるのも良くないと考えます。

――来年度の研究教育拠点計画の申請に向けて、これからどのように準備を行っていくつもりなのか?

来年度のCOEの申請に向けて、既に大学で組織的な対応を始めています。評価委員会の統括も、中塚勝人副学長が中心となり、井上明久学長補佐と鈴木厚人学長補佐も参加して、来年度への準備を始めています。

また、申請する研究教育拠点計画に対する評価も、昨年よりは早めに行っていきます。昨年は、申請する研究教育拠点計画の内容を各部局である程度固めてから、評価委員会で審議していました。今年は各部局の案を部局内で詰める前に、評価委員会へかけて、ある程度オープンに議論を交わして、全学的に評価していこうと思います。

(二面へ続く)

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