東北大学新聞:

医学系研究科上原教授ら 東北国際保険研究会を発足 途上国の医療援助を支援 国際協力を啓発

十月、医学系研究科の上原鳴夫教授らが発起人となって、東北国際保健研究会(以下、研究会)が設立された。十月二十日に、仙台国際センターで設立総会が行われ、東北各地から大学教授をはじめNPO団体代表者など、多方面から関係者が集まった。事務局は、本学大学院医学系研究科国際保健学分野内に置かれ、上原教授が代表幹事を務める。 322号

この研究会の主な目的は、市民から研究者まで幅広く会員を募り、発展途上国の医療援助活動を推進することだ。世界で、特に途上国において活躍する医療ボランティア団体同士の交流を深め、情報交換の機会をつくり、途上国における医療の現状を一般市民に広める。

研究会は、東北で初めて設立された大規模なボランティア支援組織である。この先、東北地方におけるボランティア活動の普及・啓発に貢献することが期待されている。

研究会の定期的な活動として、年に一度、研究発表会および市民フォーラムを開催することが決まっている。研究発表会は研究者主体の学術集会である。内容としては、近年重要視されている、途上国の人々の「いのちと健康のあり方」に関わるさまざまな分野の研究発表や、実際に途上国の医療・衛生問題解決に携わっている人々の講演などを行う。

市民フォーラムでは、海外で活動を行っている市民やボランティア団体が、自らの経験を紹介する。ボランティア経験者はお互いの情報を交換することでスキルアップを図ることができる。また、ボランティアの経験がない人も、話を聞くことによって途上国の健康問題や国際協力についての知識を得ることができる。

その他の活動としては、中高生を対象とした出張授業が計画されている。希望のあった学校に、研究会員がボランティアで出張し、授業を行う。そこで途上国の人々が置かれた厳しい医療環境について教え、興味を持ってもらおうという考えだ。

現在会員は、ほとんどが発起人である中心役員に留まっており、一般市民や学生の会員を募集している。これから、パンフレット配布や発表会・講演会のお知らせを通じて、国際的な医療研究および国際協力へ関心を持つ人への参加を呼びかけていく。上原教授は「興味のある人は、ぜひ私たちと共に途上国支援について学んでいきましょう」と語った。

これまで、国際保健や国際協力をテーマとする集まりは、首都圏で開催されることが多かった。そのため、東北地方でボランティア活動を始めようとしても、多くの人は具体的なノウハウが分からず、関心があっても何も行動を起こせないという現状があった。また、東北でも学生サークルのような組織は実際に途上国で活動している。しかし、活動の持続性に限界があるという点が問題となっていた。今後は、研究会の活動によって、東北地方のボランティア活動の構図に良い変化が現れることが望まれる。

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