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金研 無害な超弾性合金を開発 医療機具への応用期待 花田修治教授らが発表

十月十八日、本学金属材料研究所の花田修治教授らのグループが、新しい超弾性合金(大きく変形させても自然に元の形状に戻る合金)を開発したと発表した。この合金は人体に無害なため、医療器具などへの応用が期待される。 322号

新しく開発された合金は、人体に無害であるチタン、ニオブ、スズで作られている。また、加工が容易であるという特徴がある。

現在は、実用的な超弾性合金として、ニチノール(ニッケルとチタンの合金)がある。ニチノールは歯列矯正用ワイヤーや、携帯電話のアンテナをはじめとした、いろいろな器具の素材として使われている。

しかし、近年ニチノールには有害性があると報告されている。事実、マウスを使った実験によってニチノールに含まれているニッケルに発ガン性があることが確認されている。また、ニチノールを使った製品は、金属アレルギーを引き起こしやすい。

そのため、ニチノールが体に触れないように、酸化チタンなどでコーティングしてある器具もある。しかし、長期間の使用でコーティングがはがれる可能性も否定することはできない。

花田教授は五年ほど前、人体に無害な超弾性合金に使う金属として、チタン、ニオブ、スズに着目。何度も実験を繰り返し、組成の変化による性質の違いを調べて新合金を開発した。

新合金が開発されたことにより、現在ニチノールを用いている医療器具などの改善が期待される。その中の一つにステント(細い金属の糸を編んだ筒状のもの)という医療器具がある。これは、心筋梗塞の原因の一つである動脈瘤の治療に非常に有効である。

動脈瘤は血管の内側にこぶができ、血流が妨げられる病気。治療には患部の血管を人工血管に取り替える方法と、ステントを患部に設置して、血管を内側から広げる方法がある。

ニチノール製のステントを使った治療では、長期にわたりステントが血流にさらされるため、コーティングがはがれてしまう可能性がある。新合金を素材としたステントが実用化されれば、動脈瘤の治療の安全性は高まる。

今後の課題として花田教授はより優れた超弾性合金の開発研究を挙げた。また、新合金の実用化に関して「新合金の医療器具への応用は、厚生労働省の認可基準が厳しいため、当分先の話になりそうです。とりあえず、今一番早く実用化できそうなのは眼鏡のフレームなので、それを早く実用化させたいですね」と語った。

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