東北大学新聞:

「T~CC」 ”みんなで運営する生協”のために 組合員の一体感形成狙う 受け取る側とのギャップもチラリ

各キャンパスの生協食堂で、『T~CC』という名前の冊子を見たことはないだろうか。生協の学生向け機関誌として、一九八六年から発行されている『T~CC』は、近年生協の経営が赤字となる中で、その意義を問い直す時期が来ている。 322号

『T~CC』は東北大生協学生員会が編集を行い、理事会が発行を行っている。年間で十回発行され、一号ごとの発行部数は三千五百部。全一六ページの冊子で、組合員に無料で配られている。

 ここ一、二年、生協は一般企業との価格競争などで、売上高が大きく減少。このため赤字決算となり、組合員に対する割り戻しも二年連続で中止となった。現在は来年度の黒字決算に向けて、経営の建て直しに集中している。

 しかし、こうしたなかでも『T~CC』の発行には多くの予算がかけられている。全ページにわたる単色カラーの印刷。大部分を外注しているレイアウトなど、多くの経費がかかる。

 生協理事室室長の山口善明さんによれば「(『T~CC』の発行といった)生協の非事業部門の予算は、食堂などの事業部門が不調だからといって、簡単に削るわけにもいかない」のだという。特に機関誌の発行は、生協を運営していくための組合活動の一環として、大切になると話す。

生協は「生活協同組合」の名前が示すとおり、組合員が自分たちで協力し合い、生活を安定、改善させていくための互助組織だ。このため、組合員ひとりひとりが、自分たちの問題として、生協の運営に携わっていく必要がある。

このとき必要となってくるのが、生協という組織の中での、縦と横との円滑なコミュニケーションだ。生協が一つの組織として有効に機能していくため、構成員同士の意志疎通が重要となってくる。

「組合員と組合員をつなぐこと。そして組合員と生協をつないでいくこと」。『T~CC』編集長の岡田彩さん(教育学部三年)は、『T~CC』の意義をこう捉えている。こうした意識は『T~CC』の紙面構成にも反映され、組合員と組合員、あるいは組合員と編集員である学生委員会とのコミュニケーションを目指した企画が多い。

例えば、〝かがやいている〟東北大生・院生をとりあげた「かがやきの描写」は、多くの組合員に、普段の生活だけでは知り合うことのない、他の組合員の様子を紹介している。同じ組合員として意識することで、みんなで支えていくものとして生協を身近に感じてもらうことを狙っている。

しかし、こうした『T~CC』の紙面構成は、現実の学生組合員の意識との間でズレを生んでいる。それは『T~CC』の紙面構成が、〝組合員が自分たちのことを生協の組合員として自覚していること〟を前提としているからだ。

現在の学生組合員は、生協の組合員としての意識が乏しく、むしろ生協の店舗を利用する一消費者としての意識が強いことが多い。「組合員が自分たちでつくる」理想とは裏腹に実際の生協は、運営については専務や店長まかせで、組合員はただ商品やサービスについての要求をするだけ、という形に近い。

今後の『T~CC』に求められるのは、生協そのものに関する情報の提供に、より力をいれていくことだ。生協はどのような活動をしているのか。どのように運営されているのか。組合員にとって重要な、そして現状では十分に伝わっていない情報は多い。

〝ちょっと安く食事や買い物ができるお店〟。ただそれだけではない生協の持つ意義や理念を組合員に広めていくこと。それが、今、『T~CC』に課せられている役割だ。


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