編集後記
今月号をもって、めでたく部を引退することになった。後輩から慰労の花束を受け取り、二年と八ヶ月の新聞部
生活の長さとはかなさを同時に実感した。感極まって食いちぎった黄色い花は、パセリの苦い味がした
322号
▼受験時に特別号の紙面上で叫ぶブルース・リーに、稲妻のようなインスピレーションを感じ入部を決意したことがつい昨日のことのように感じる。だが、この三年弱の間の経験と思索は、地元の片田舎で暮らした十八年間を濃縮しても足りない▼熱さ我慢を競いながら、筋トレに励み、本場のわんこそばをすすった。真冬の太平洋に挑み、裸足で往来をさまよい、勢いあまって日本海まで駆け抜けた。すべて部を通して体験したことだ。毎日毎晩、朝も昼もなく酒を飲んでは悩み相談をしていた自分が懐かしく、目頭を熱くする▼一・二年時はおよそ新聞製作とは関係のないことばかりやっていたため、いざ部をまとめる立場になったときに途方に暮れた。新聞とは何かを一から模索しながらのあいまいな指導は、さぞかし迷惑をかけたことだろう。次の世代には山のような課題を残してしまった。果たして自分のしてきたことは何なのかと考えると無力感に襲われる▼だが、この部での充実した生活は無力感を補っても余りある。新聞製作は辛いものであったが、そこで学んだコミュニケーションの難しさは、若い自分にとって何よりの報酬であった▼何でもがむしゃらにやればいいとは思わない。しかし、成長の気概を持ちつつ、目をしっかりと開いているならば、苦労は決して無駄ではない。若い世代が、どうか卑屈にならずに部活に取り組み、人間的な成長を勝ち取ってほしいと心から願う。
