東北大学新聞:

就職特集 厳選採用の傾向強まる現在の就職環境

一月に入り、いよいよ就職活動が本格化してきている。依然として続く厳しい就職状況に対して、どのような意識で臨めばよいのか。株式会社リクルート東北支社で東北の大学生の就職活動を支援している千葉政典さんに、その展望を伺った。また、来年度に企業へ入社予定の本学学生にも、就職活動をしていた時の体験について語ってもらった。 323号

二〇〇三年度採用の大学生の求人倍率は一・三〇倍で、昨年よりも若干下降している。昨年度の予想では、今年度の求人倍率は上昇すると思われていたが、外部的環境の変化(二〇〇一年九月のアメリカ同時多発テロによる経済不安など)により、昨年度よりも下降することになった。

現在の就職環境の傾向として、千葉さんは次の二点を挙げる。

まず一点目に、企業が新卒採用と中途採用を区別しないようになり、中途採用を以前よりも積極的に行うようになったことである。ただし、この変化はIT業界のように顕著に起こっている業界もあれば、そうでない業界もある。

二点目に、経済不況と産業構造・雇用構造の変化により、企業が欲しい人材の個性や能力を明確にする「厳選採用」の傾向が強まったことである。つまり「取りあえず有名大学だから採用」というような曖昧な採用基準ではなく「本当に企業が欲しい人を採用」するようになったのである。

この「厳選採用」の結果、一人で五、六社から内定をもらう学生がいる一方で、まったく内定をもらえない学生も存在する「二極化」が進んでいるという。また、採用人数が定員に満たない場合でも、企業が求める人材像に一致する学生がいなければ採用を打ち切ることが多くなっている。

就職活動の流れ

就職活動の大雑把な流れは、以下のようなものである。

まず、なるべく早い時期から、企業研究や業界研究などの情報収集、それに自己分析をしておく。自己分析は、自分が何に向いていて何がしたいのかを見つけるのが目的である。具体的には、自分が過去にしてきたことを振り返って分析したり、知人に自分がどういう人間かを聞いたりするのが一般的だ。それから、リクルートや毎日コミュニケーションズといった就職活動サイトへ登録しておくと、企業検索ができる、説明会の日程を知ることができるなどのメリットがある。

十月の後半から十一月にかけては、企業から就職情報誌が届き始めるなど、就職活動が本格化する時期である。十二月から二月ごろは、企業へのエントリーが始まる。エントリーは、就職サイトから行うなど、インターネットを使うのが主流となっている。一、二月からは、セミナーや説明会が行われ、面接も始まる。セミナー・説明会では、企業によっては筆記試験が行われるところもある。面接の形式は個人面接、集団面接、グループディスカッションなどさまざまだ。そして、内定が出るピークが四月から五月にかけてである。

失敗しないためのポイント

このように就職活動を進めていく上で、どんなことに注意すべきなのだろうか。千葉さんは、次の三つが重要だと指摘する。

第一に「情報収集と分析」。これは、簡単に言えば「社会を知ること」である。世の中にはどんな職業があるのか、どんな生き方があるのかを知っておく。

第二に「主体的行動」である。誰かの指示を待ってから動くのではなく、自ら考え、行動することが必要だ。

第三に「早期のスタート」である。スタートが遅いと、選択肢を狭くし、可能性を少なくすることになる。逆に早期に目的を明確にし、行動を始めれば、より高い目標に達する可能性がある。

本学の就職環境

本学の学生が置かれている就職環境について、千葉さんは「率直に言って、不利な就職環境」と語る。

どのような点で不利なのだろうか。「私が所属していた大学では、就職課で数百社のOB・OGの一覧を見ることができ、直接OB・OGに電話(会社を通じて)をして就職の相談などをします。さらに先輩からの情報・他大学の学生からの情報なども入ってくる環境にありました」

就職活動においては、OB・OGなどから得る「人からの情報」が非常に重要になる。しかし、本学の場合はそういった情報を得るチャンスが少ないため、不利なのだという。

「ただ、そのような環境であるにも関わらず健闘している学生がいるのは、やはりそれなりに適応力がある学生が多いのかとも思います。しかし、それはすべての学生ではなく『二極化』が進んでいるのは事実です」と千葉さんは語る。

最後に

千葉さんは、就職活動をする際に「内定を取る」という短期的な目的だけにとらわれるべきではないと強調する。「内定」という短期的目標にこだわると、それだけで一喜一憂し、失敗を恐れて消極的になってしまうということもある。したがって、五年後、十年後など、ある程度、長期的スパンを見据えることが必要である。「確かに落ちるのはつらいことですが『今の失敗は必ず将来に生きてくる』と発想の転換をすることも重要です」

内定を取るためだけに就職活動をするのはもったいないと千葉さんは言う。「就職活動中は、いろいろな人に会い、多くの経験ができる良い機会です。その時期しか会えない人、その時期しかできないこともたくさんあります。就職活動を通じて、自分の可能性を広げていってほしいと思います」

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