東北大学新聞:

理学部学生に停学処分下る 再三の説得に応じず

  二月十八日の本学評議会で、昨年四月から有朋寮に住んでいた理学部の男子学生一名に対して、無期停学の処分を下すことが承認された。この学生に対しては、昨年八月にも理学部教授会が戒告処分を下し、有朋寮から退去するように求めていた。有朋寮は二〇〇一年九月に、入寮募集の即時停止措置と、今年三月末での廃寮化が本学評議会によって決定されていた。しかし、在寮期限の過ぎた現在でも、この理学部学生を含めた約十数名の学生が有朋寮に住んでいる。324号1面

 今回無期停学処分を受けた理学部学生は、昨年四月の入学当初から有朋寮に住んでいる。大学側は、二〇〇一年九月に有朋寮の廃寮化を決定してから、新規の入寮を認めていない。このため大学側はこの学生に対して寮から直ちに退去するよう何度も説得を続けてきた。この学生が所属する理学部でも、この学生が有朋寮に住み始めた頃より教官や職員が、有朋寮からの退去を求めて何度も話し合いを行ってきた。

昨年八月、この学生に対し、理学部は臨時教授会で、有朋寮からすみやかに退去するよう注意を与える戒告処分を下した。この処分を下すにあたり大学側は、「停学や退学など、より厳しい処分を下すべきという意見もあったが、教育的見地から考えると戒告処分とすることで本人にもう一度考え直す機会を与えるほうがよい」としていた。

また昨年十月にも副学長と学生生活協議会の連名で、この学生に対して有朋寮退去命令を下し、十日以内に有朋寮から立ち退くように要求していた。

 しかしこの学生は退寮する意思を示さず、なおも有朋寮に住み続けていた。このため理学部教授会は、この学生に無期停学処分を下すことを決定した。大学側はこの学生が有朋寮から立ち退かない限り、停学処分の解除は行わないとしている。

このような大学側の決定に対して有朋寮側は激しい怒りをあらわにしている。今回の無期停学処分が、憲法でも規定された教育を受ける権利を不当に侵害する行為であり、そのような決定を下した大学側の態度は許せるものではないとしている。

無期停学処分の承認が行われた二月十八日の本学評議会では、会場となった片平キャンパス事務局前では、有朋寮生を中心に無期停学処分の阻止を求める抗議行動が行われた。この抗議行動では日就寮や本学学生自治会、さらには富山大学新樹寮や京都大学熊野寮など、学内外から約五十人もの学生が参加した。

参加者たちは、評議会に出席する評議員に対して、無期停学処分の不当性を訴え、承認に賛同しないよう要求していた。その後、評議会で無期停学処分が承認されたことが判明し、処分を下した大学側を非難するシュプレヒコールを行なった。また、この抗議行動では停学処分の対象となった理学部の学生も参加して、自身の有朋寮在寮の正当性を強く訴えていた。

◆ 市民にも広がる

廃寮化阻止運動

三月二十一日には、青葉区のエルパーク仙台セミナーホールで、有朋寮廃寮化反対と今回の無期停学処分の不当性を訴える市民集会が開催された。この集会には、有朋寮廃寮化問題に関心を持った一般市民や有朋寮OB、さらには仙台市の市議会議員など、合わせて百人以上が参加した。

この市民集会ではまず、有朋寮の廃寮化が経済的弱者の教育を受ける権利を侵害する「新寮なき廃寮」であり、このような決定を単独で行った大学側の不当性が、主催者である有朋寮生によって訴えられた。そしてこのような状態を即座に解消するために、廃寮化の撤回と、新寮の早期建設が必要であるとした。

また今回の停学処分が、「大学の下した決定に逆らう学生は処分する」といった、大学側の独善的な態度の表れであるとして、このような処分を下した大学側をきびしく非難した。

◆有朋寮の在寮期限切れる

有朋寮は今年三月三十一日をもって、大学側の定めた在寮期限が切れ、廃寮となった。しかし現在でも、今回無期停学処分を受けた理学部学生を含めて約十数名の学生が在寮している。彼らはこれからも在寮を続け、日就寮や学生自治会などと共に廃寮化阻止活動を続けていくとしている。廃寮化決定直後に活発に行っていた署名活動も、新入生の入学を機に再開する予定だという。

現在も有朋寮に住んでいるある学生は「経済的に困窮した学生のための厚生施設として、寮が必要であることは明白である。しかし新寮が建てられないのに有朋寮を潰そうとし、そのことに異を唱えただけで、停学処分を下す大学の対応は絶対に許せない。唯一の解決策は、廃寮化の即時撤回と新寮の早期建設しかない」と語った。

廃寮化を決定した二〇〇一年九月の時点では、大学側は有朋寮の建物の取り壊し時期を四月以降に行うことを予定していた。しかし今もなお在寮している学生がいることから、取り壊し時期の修正を余儀なくされることは避けられない状況である。  

Copyright (C) 東北大学新聞