東北大学新聞:

毛利衛講演会開催 学生へのメッセージ語る

三月六日、本学片平キャンパス流体科学研究所において毛利衛さん講演会「宇宙実験の科学技術」が行われた。毛利衛さんは一九九二年に宇宙飛行士としてエンデバー号に乗船したことで有名である。現在毛利さんは宇宙飛行士として、また日本科学未来館館長として多岐にわたって活躍している。
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講演会が行われた流体科学研究所二号館の大講義室では百二十用意された席を遥かに越える人が集まり、五十人ほどの立ち見人が出る盛況ぶりであった。

 毛利さんは簡単にプロフィールを紹介された後、この講演会は一般の講演というよりむしろ学生向けの講義として話したいと前置きをおいて講演会を始めた。

 最初に毛利さんは学生に「現在宇宙飛行士は何人いるか知っていますか」と聞き、答えに詰まる学生に対し「八人いるんですよ」と答え宇宙開発への話題を提起した。

 そして話は毛利さんが宇宙へと飛び立った時のことに移った。毛利さんの宇宙飛行の様子はビデオで流された。

ビデオの内容は、二〇〇〇年に行った毛利さんの二度目の宇宙飛行の様子であった。毛利さんたち宇宙飛行士は、地球の精密な立体地形図作製のための地形の観測というミッションを遂行していった。また、毛利さんは特殊カメラを用い地球の様々な場所を撮影した。撮影場所が日本になり、カメラから東京や富士山がはっきりと見えると毛利さんは「amazing!」と感嘆の声を漏らした。

最後にビデオの中で毛利さんは宇宙飛行の感想として「地球に生命が生きているのは地球の生命を抱える優しさのおかげである。だからその優しさに応えるために地球を守ることが大切だ」と述べた。

 続いて、学生へのメッセージとして「人間という生き物は、可能性を広げながら進化して出来たものである。そして、現在の社会では、宇宙に飛び立ち、遺伝子組み換え技術により生命が多様化されている。これも人間が生き延びる可能性を広げるためなのである。だから学生には社会の一人間として、そして人類として将来へ可能性を広げていってほしい」と話した。

 毛利さんの話の後には、質問時間が設けられた。学生は毛利さんに宇宙に関してさまざまな質問をした。

ある学生は、「自分の周りの研究室では、宇宙実験を地球上でもできるように研究しているが、これは大事なことなのか」と質問した。これに対し毛利さんは、「宇宙に行くことの意義は今までの発想になかった物を見つけ可能性を広げることにある。地球上だけと発想に囲いをつくってはいけない」と話した。

 また、他の学生は、「もし、毛利さんが自由に宇宙に行けるとしたらどんなことをしたいか」と質問した。毛利さんは自分の研究分野とする核融合の研究に取り組みたいと答えた。将来エネルギー源として期待される核融合ではあるが、現在の技術では日常に利用するのは不可能である。であるから宇宙にヒントを求めていきたいと語り、研究者としての一面も見せた。

 他にも学生たちは多くの質問をして直接毛利さんと話せる貴重な時間を過ごし、講演会は終了した。  


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