学寮は、いま 寮問題・新たなる局面
日就寮と有朋寮の2寮は2月1日付けで、大学から入寮募集停止の通告を受けた。これは現在大学側と寮側の間に存在する一連の電気料問題のため、昨年5月からの電気料を二寮が不払いを続けていることへの大学側の措置である。(289)
今回二寮が入寮募集停止措置を受けたのは、昨年12月15日に開かれた評議会での決定を受けるもの。評議会では電気料問題に関して「寮としての電気料不払いが今後も続くようであれば、入寮募集停止をせざるを得ない」ということを確認した。その後も不払いが続いたため、今回の措置を受けるに至った。
大学側のこうした姿勢に反発して、寮側は入寮募集パンフレットを2月25・26日の両日、前期試験会場で受験生に配布するなど、独自に入寮募集を行った。寮側は、入寮募集停止は学内の規定に明記されていないもので、今回の措置は全く根拠がないと主張している。また「電気料は個人に請求されている。その不払いに対して、寮単位の制裁である入寮募集停止措置を取るのは筋違いである」として、入寮募集停止に真っ向から対立している。
両者の交渉は難航しており、対立を深めていくばかりである。大学側は、未納となっている電気料の納入を求め、電気料を滞納している寮生に対して裁判所を通して支払督促を行っている。寮生は、この督促についても不服であるとしている。
3月16日、日就寮と有朋寮の寮生は、かねて大学側から受けていた値上げ分電気料支払督促を不服として、仙台簡易裁判所に異議申し立てを行った。これにより、電気料をめぐる大学と寮生の対立は、法廷へと持ち込まれることになる。
今回の異議申し立ての背景には、2年前から続く電気料是正問題がある。簡単におさらいしておこう。
1961年の団体交渉(団交)以来、電気料支払い負担割合は大学6・寮4だった。しかし97年10月、大学は会計検査院から、電気料の国費負担が超過しているとの指摘を受けた。これを受けて大学側は支払い負担区分の見直しを行い、寮生一人当り700円程度の値上げを行う方針を固めた。しかし寮側がこれに反発し、97年11月12日の電気料団交は決裂。98年4月1日から電気料が是正されることとなった。これに対して寮側は、是正後の電気料支払いを拒否。電気料支払いが滞納される状態になった。
この間大学側は、寮生の未納分電気料を税金で肩代わりしてきたが、98年12月15日の評議会で、大学側は裁判所に支払督促の申し立てを行う可能性を示唆。にもかかわらず不払いが続いたため、大学側は仙台簡裁に申し立てを行った。これを受けて簡裁は今年3月4日、寮に支払命令を行った。今回の異議申し立ては、それに対して行われたものである。
仙台簡裁から支払督促を受けているのは、日就・有朋両寮で合わせて20人。その内、異議申し立てを行ったのは日就寮2名、有朋寮6名の合わせて8名である。1人あたり約7,000円を滞納している。
今回の異議申し立てを仙台簡裁は受理。その結果、債権者の国が原告、債務者の寮生8名が被告となって、電気料支払い請求訴訟が仙台簡裁で開かれることとなった。
仙台簡裁で記者会見した学生寮自治会連合(寮連)は「最大の問題は、寮生と大学との話し合いがなされていないことだ。話し合いなしの決定は自治破壊であり、裁判でも副学長団交の開催を求めて闘う」と述べて、徹底的に裁判で争う構えを見せた。
寮連は今後の方針として、裁判の他にも学内での署名活動や集会、教官に共同声明を求める運動を通じて、副学長団交の開催を広く訴えていくことにしている。
今回の異議申し立てに対して、大学当局は「支払い督促申し立ては、異議申し立ても考慮した上でのことだ。大学(国)が電気料未払寮生に対して債権を有していることは疑いのない事実であり、大学(国)の勝訴は動かないと考えているが、最終的判断は裁判所に委ねたい」(学寮専門委員会)と述べている。
寮連の異議申し立てにより、大学側と寮側の対立はその中心を法廷へ移すことになる。これから寮問題はどうなっていくのだろうか。
両寮の新入寮生への処分はどうなるか。大学側は、新入寮生に寮を出るよう説得・指導していくとしている。だが両寮は新入寮生を退寮させまいとするはずで、この点で両者は対立することだろう。
自主募集を行った両寮への処分はどうなるか。大学側は「来年度以降、学外試験場の募集活動に必要な腕章を寮連に交付することについて再検討する予定」としているが、両寮がこれに反発することは必至であろう。
今後も当部では、前述の問題に加え電気料裁判の詳細など、寮問題をリアルタイムに追っていく予定である。
<訂正>
99年1月20日発行の『東北大学新聞』第288号1面の寮問題に関する記事の中で、「大学側は3回目の(団交要求)行動に対しては、要求書の受取すらも拒否している。」との記述がありましたが、大学側は郵送によって受取り、回答を行っていました。訂正します。
