次世代無線LAN装置を開発・IT21センター
本学・電気通信研究所に附属する21世紀情報通信研究開発センター(略称IT21センター)は、毎秒324メガビット(以下Mbps)の伝送速度を実現する次世代超高速無線LAN装置を開発したと発表した。
この研究は、文部科学省のITプログラム「次世代モバイルインターネット端末の開発」の一環として進められているものである。この装置が実用化されれば、現在難しいとされるハイビジョン映像のリアルタイム配信が可能になり、ユビキタス環境構築への大きな貢献が予想される。
今回の技術は三菱電機㈱との合同開発で、同社の持つ無線LAN技術と本学の持つデバイス技術との組み合わせによって実現された。このような無線LAN技術における産学官連携の開発は日本でも例がない。
今回の試作結果を元に、本学は米国のIEEE(現在普及している無線LAN規格を定めた学会)に次世代の無線LAN規格の標準化を提案している。
現在実用化されている無線LAN技術は54Mbpsの伝送速度を持ち、1チャネルを使用している。今回、今まで1つしか使っていなかったチャネル(無線通信の通信路)を複数使用することによって、より高速な伝送速度を実現した。(図参照)

また、データはパケット化して送受信されているため、ヘッダというユーザには不必要なデータを多く含んでいる。そのため、現在実際の使用においてユーザは54Mbpsという数値の半分以下の20Mbps程度の速度しか実感できない。
今回の技術では、パケット中にあるヘッダ部分の割合を減少させることによって、使用者の感じる実効速度を160Mbps程度まで上昇させることが可能となった。今後の研究によっては、さらに速度が上昇する可能性もある。
そのほか、時々刻々と変化する電波の状況に応じて使用するチャネル数や伝送するデータ量を最適化する制御機能を搭載する。
今後の研究では、IC化による装置の小型化に取り組む。最終的には1Gbps以上の通信速度を持つ超小型・超高速無線端末を開発する予定で、今回の装置の開発はその中間過程となる。
IT21センター研究開発部モバイル分野の礒田教授は「こういった技術の発展によって築かれるユビキタス環境が、世の中をどう変えていくかが非常に楽しみ」と語った。
