自主ゼミで中学校に出張授業
今年で3年目の取り組みになる基礎ゼミ「授業プランをつくろう」(担当・小泉祥一教授)に参加した学生が、単位習得と関係ない自主ゼミを立ち上げた。
今年で3年目の取り組みになる基礎ゼミ「授業プランをつくろう」(担当・小泉祥一教授)に参加した学生が、単位習得と関係ない自主ゼミを立ち上げた。
前身となった基礎ゼミでは、中学生に対して「故郷自慢」をきっかけにした授業をするためのプラン作りをしていた。一年生の時に基礎ゼミに参加していた上級生も加わりアドバイスをもらっていた。自主ゼミとしての活動の中でも経験者である上級生も参加している。自主ゼミでは、基礎ゼミの際に出されていた指導案をもとによりよいものに練り上げ、実際に市内の中学校で授業をする計画をしている。
授業は、身近な題材を使い、50分授業を2コマ連続で行う。中学生が問題点を理解し、考えて、最終的には個人や地域、国や国家間で出来る事を提言するところを目標にしている。こうしたことを通じて、生徒に将来、物事に問題意識をもって向かう姿勢を身に着けてもらうのが目的だ。1年生が教壇に立ち、他のメンバーもティーチングアシスタントの形で参加する。
この自主ゼミでは、実際に中学生に授業をするため、社会的責任が重い。教育実習生のレベルには最低でも達していなくてはならない。そのため、授業内容は自主的に決めるが、指導教官である小泉教授が対外交渉にあたったり、参加している上級生が指導案に対するコメントを詳しくつけたりしている。そうすることで、最低でも教育実習生レベル、中には教育実習生の水準を越えた授業をする人も出てきた。
また、授業で使う教材も、教科書ではなく、自分たちで制作する。内容も、中学校の教育内容と大きく外れてしまわないように、学習指導要領の研究や、現場の先生の声を聞くなどして吟味している。
同じ指導案をすべての中学校で使いまわせないという点も難しい。授業をより面白くするには発問(問題提起)や展開を生徒に合わせて工夫しなくてはならない。各中学校によって、生徒の状況が違う。
例えば前年度に授業をした高森中学校では、公共交通を扱ったが、バスを利用する生活環境にない生徒が多い学校であった。そのままの指導案で授業をしたのでは問題意識を持ってもらえないため、事前アンケートなどで意識を高めたという事もあった。
このような生徒の状況は大学にいるだけではわからない。平成生まれの中学生と、授業をする大学生とでは世代も離れており、考え方や取り巻く環境もずいぶんと違う。中学校の先生との話し合いの場を何度も設け、そのやりとりのなかで、生徒の状況に合わせて指導案を練り直すことも重要な作業のひとつだ。
教育学部1年の白川裕也さんは、「授業のやり方等、現場の先生や先輩方の意見を頂ける機会が得られたのは将来にとって大きいと思う」と話す。
小泉教授は「学生が教科書にとらわれず、自分が『熱く語りたいもの』をやるということはどこの大学でもやっていない。この自主ゼミでは、こうした活動を通じて、学生が、自分の研究のあり方を考え、問題意識を醸成させる訓練になると考えている」と語った。
