楽天イーグルス元GMマーティ・キーナート氏インタビュー
先日、本拠地仙台で初のホームゲームを行った東北楽天ゴールデンイーグルス、そのGMであるマーティ・キーナート氏へのインタビューを行った。キーナート氏の学生時代のことや仕事、仙台のことについて語って頂いた。(341号)
――学生時代はどのように過ごしていましたか?
学生時代は楽しんでいましたよ。野球をするために野球の名門のスタンフォード大学に通っていました。スタンフォード大学は勉強の方も優秀で、いわゆる文武両道の大学でした。そういう意味では本物の大学だと思います。そういう大学は日本には少ないですね。日本では一生懸命スポーツをするか、勉強するかのどちらかになりがちでしょう?でもスタンフォードの場合はそれをどちらもさせる。だから私はスタンフォードに行って一生懸命勉強してスポーツもしようと思ったんです。まあ、私の場合はちょっと勉強が足りなかったんですが(笑)。目標は高かったけれど、それを達成することはちょっと出来なかったんです。でも、非常に楽しい、良い生活を送ることができました。
それと、野球と勉強のほかに、スタンフォードに行った理由がもう1つあるんですよ。私は世界を見たかったんです。スタンフォードは非常に交換留学生のプログラムが多い大学です。多分アメリカの大学の中で一番じゃないかな。海外にもキャンパスを持ってるんですよ。
だから、他国のキャンパスからの留学生もいるし、他にもいろんな留学制度があった。その1つに慶応大学との交換留学プログラムがあったんです。それで、私はとにかくどこかに行きたかったんですね。たまたま私が大学のトイレに入ったら、『この夏日本はどうですか?』というポスターが貼ってあったんです。それで、「ああ、いいなあ」、と思った。そのときは特に日本だからというのではなくて、どこかに行きたい、というのだったですが。それで1年生、まだ18歳の時、慶応大学との交換留学プログラムに申し込んで、幸運にも入ることができました。おかげで、私は1年生と2年生の夏に日本に来ることができたんですね。それに、僕の誕生日は7月19日だから、私の19歳の誕生日は交換留学のおかげでちょうど日本にいるときだったんですよ。誕生パーティーは東京のレストランだったね。
そんな感じで、私は大学ではとりあえず野球をして、まあまあ勉強もして、そして、国際的な友達もたくさん作ることができたんです。
スタンフォードはとても小さい学校ですが、あなた達の学校はどのくらいですか?
――1万人くらいですね。
学部だけでそのくらいなの?そうですか。スタンフォードはね、5千人です。学部生は5千人しかいないんですよ。でも、大学院生も5千人。だから学生はトータルで1万人だね。あと、先生なんかのスタッフも1万人いるんですね。学生と同じぐらいの数なんです。学部生の中にも海外から来てる人は多いけど、大学院になると半分が海外から来た人なんです。だから、キャンパスがミニ国連みたいなんですよ。世界中からいろんな人が来てるんです。とても面白いキャンパスですよ。スタンフォードではそんなふうに色々な国際感覚を身につけて、色々な国の友達を作ることができました。本当に面白かったよ。
――野球という道を選んだのは何故ですか?
私は大学に入るまでの12年間にやったスポーツで1番得意なのが野球で、次はアメリカンフットボールでした。野球では私はスタープレーヤーになりました。アメリカンフットボールではレギュラーでした。スタープレーヤーじゃなく普通のプレーヤーだったから、全試合には出たけど、トップから真ん中くらいのランクでした。バスケットでは、ベンチプレーヤーでね。試合にもあまり出られなかったけど、12年間やったから、私はバスケットを知ってるし、大好きなんですよ。私はその3つのスポーツを学生の間ずっとプレイしたおかげで、よく知ってるけれど、日本の学校ではこういうチャンスが少ないですよね。そういうところで日本の学生は少しかわいそうだと思います。
――仙台に始めて来たのはいつごろですか?
去年の10月のいつか、わたしのGM 就任発表のすぐ次の日ですね。こっちに挨拶とか、街を見たりという目的でしたよ。
――では、始めてきたときの仙台の印象は?
緑が多くて奇麗な町だという印象でしたね。私は木が好きなんですよ。私は東京と大阪、神戸に住んだことがあるんでが、どちらかというと仙台は、その中の神戸に近くて、木が多くて空気がいい。この辺では、市が意識的に木を増やしてるらしいですね。これはすごくいいことだと思いますよ。
仙台は結構自然が溢れてる感じのする町で、好きですよ。私は大都会のロサンゼルス生まれですが、1972年、3年に、ローダイというカリフォルニアの田舎の町でゼネラルマネージャーをしていました。その町の人口はたった3万人でしたが、そういう田舎の町は好きでしたね。
あと、私はバーミングハムバロンズという2Aのチームの球団社長だったことがあるんです。94年のことですが、そこでバスケットを引退したマイケルジョーダンがプレイしたんですよ。うちのチームだったんです。それでその町も人口100万人くらいの南部の結構小さな町だったんですが、仙台と似たような感じの町でした。自然も多いし、都会よりも空気がいい、というような印象だったんです。仙台は今まで私が好きになった町とよく似てると思うんですよ。
――GMの仕事というのは具体的にどんなものなんですか?
フロントと現場の間にギャップがないようにすることです。もちろん、強いコーチを選んだり、強い選手を選んだりして、強いチームを作りますよ。それで、意見を採らなければいけないですからね。
もう1つの仕事は、球団と社会の間にギャップがないようにすることです。講演とか、いろんなイベントに出たりとか、地域密着の運動というんですか?だから、現場サイドの仕事も、社会とか市民とのコミュニケーションも大事なので、両方やっていますよ。
――GMの仕事をする上で難しいこと、楽しいことはなんですか?
難しいのは、時間がないことですね。楽しいことは、良い人にたくさん出会えるし、牛タンもたくさん食べれることですね(笑)みんな牛タンをすぐ出してくれるんです。でも、牛タンもいいけれど、私は寿司のほうが好きですね。友達にもよく言ってるんですけど、仙台は牛タンだけでなく寿司もおいしいよ(笑)
――最後に大学生へのメッセージをお願いします。
文武両道をねらえ、ということですね。それと、学生生活を楽しんでください。で、もう1つ、英語を一生懸命学びなさい、そして、国際人になりなさい。なぜ英語を学ばなければいけないのか、というとね、やっぱりインターネットを見ると、日本語で書いてるインターネットの数と、英語で書いてあるものの数では、何千倍くらいの差があるんですよ。日本語は日本の国のためだけの言葉なんです。だから、インターネットの場合はオランダ人もドイツ人も世界中に見て欲しければ、みんな英語で書きますよ。たまたま私の母国語が英語だからいうんじゃないですよ?国際人になるなら一生懸命英語を勉強して、そしてインターネットもマスターして、世界がわかるように、というのがアドバイスですね。世界を学ぶには語学を学ぶのは非常に大切です。あと、英語の次に重要なのはこれからは中国語ですか?英語と中国語と日本語、それがわかれば仕事も、オプションもいっぱい増えますよ(笑)。そして、学生生活を楽しんでください。
