東北大学新聞:

授業料値上がりについて

 平成17年度より、ほとんどの国立大学で授業料が引き上げられる。本学も、各学部および大学院の授業料を、1万5千円引き上げることを決定している。(341号)


 この突然の授業料引き上げの理由は、平成17年度の政府予算案において、国立大学の授業料標準額が引き上げられたからである。標準額とは、国立大学の授業料設定の基準となるものである。この額の110%を上限として、授業料の決定は各大学の裁量に委ねられている。(下限は設けられていない)
 また、標準額の引き上げに伴い各国立大学への運営費交付金の削減が決定している。運営費交付金とは、国から各国立大学法人に交付されるもので、この他、授業料収入や附属病院があれば病院収入などが国立大学法人の主な収入である。
 運営費交付金の交付額は、「入学定員数×入学料標準額」および「収容定員数×授業料標準額」を、学部教育等標準運営交付金対象事業費から差し引いて算出される。よって、授業料標準額が引き上げられると、この運営費交付金が減額されることになるのである。当然その分大学側の収入は減ることになる。そうなると、教育研究の円滑な運営に支障を来たし、学生の不利益に繋がりかねない。そこで、この減額分を、授業料の値上げ分で補うというのが、本学の授業料引き上げ決定の背景である。
 つまり、政府による授業料標準額の引き上げは、各国立大学に授業料の引き上げを迫っているのと同じ事なのである。
 本学は引き上げに関して、
「一層の学生サービスの充実・向上が本学に課せられた責務」としている。授業料値上げに伴い、大学側には、更なる経営努力が求められることになるだろう。しかし、そのことが学生に不利益をもたらすものであってはならない。
 今回の授業料標準額の引き上げは、政府の高等教育への姿勢を疑わざるを得ない。文部科学省は標準額引き上げに関して、当事者である学生や学費負担者への説明が欠けているのではないだろうか。政府には、「国立」という言葉を重く受け止めてもらいたい。

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