地震特集
大学生が、自宅の他に最も長い時間を過ごす場所。それが大学キャンパスだ。前号では、自分の寝起きする部屋で地震に遭ったらどうするか、どのようなことに備えたらよいのかについて特集した。今回は、大学キャンパスで地震に遭った場合の対策を聞いた。(341号)
まず気になるのは校舎が大地震に耐えられる構造なのかという点だ。耐震度については、本学では、国の基準をもとに、構造耐震指数のレベルに応じ、耐震強度を3段階に分類している。
そのうち、指数が0.4以下の耐震性と判断された建物は、大きな地震が来た場合に、大破または倒壊の危険がある。そのような建物には使用制限を設けている。学部生が普段使用する校舎には、そのレベルに分類されている建物はない。しかし、記念講堂や、片平キャンパスの武道場など、伝統のある建物の中には、そのレベルに分類されているものもある。記念講堂については、改修し、博物館にする事で、耐震性を確保する予定だ。
また、指数が0.4~0.7と判断された建物は、大きな地震が来た場合に中破の危険がある。とは言っても、写真のように、柱などの骨格部分に損傷が出るものの、中にいて即生命に関わるというものではない。壁などが多少落ちてくるが、落下物やガラス片から身を守りさえすれば、建物外へ避難する事は可能だ。この段階に分類される建物は、川内北キャンパスのA棟・B棟・C棟等、約半分の建物が含まれる。図書館は、法規上は安全だとされているが、自主的に検査したところ、この段階に分類された。法人化の際、こういった校舎の改修費については、国が負担をするという取り決めがされていた。しかし、予算がなかなかつかないため、順次改修を進め、年度までには改修をしたいとしている。
さらに、0.7以上と判断された建物は、大きな地震が来ても被害はほとんどないとされる。ただし、1度大きな地震に遭うと、それだけで耐震性が格段に下がることがある。余震が来るときには指数が0.7未満になっていることもあり得るので、本震がおさまったら、直ちに安全なところに避難することは変わらない。
次に気になるのは、地震が起こったときに取るべき行動である。建物自体は倒壊しないとしても、狭い部屋にたくさんの本や資料が積み上げてある研究室や、重い楽器や運動器具の置いてある部室には危険が多い。配置については前号で紹介したように、「安全地帯」を作るようにすることが望ましいが、研究室や部室ではそれも難しいだろう。大地震があったとき、初動でまずすることは机の下にもぐるなど、一般的に言われている対応だ。ただし、指数が0.4以下と判断されている危険な建物にいる場合には、まずはその建物から出た方が良い。それ以外であれば、地震が収まるまで、特に頭部と足に怪我をしないように、身を守ることを第一に考えて行動して欲しい。
地震が収まったら、次に気になることは学業の継続についてであろう。本学では、危機管理委員会を設置し、緊急時の対応マニュアルを作成中だ。これには、学生への安全指針も含まれており、6~7月中には学生全員に配布される予定となっている。また、緊急時に、どこでどのような被害に遭ったかを調査する必要がある。学部の3・4年生になると、研究室に所属するため、連絡体制を作りやすいが、そうでない1・2年にどのように連絡するかを検討中だ。一案としては、携帯のメールアドレスを収集し、一斉に連絡をすること等がある。大学は体制が決まったら、情報提供の協力をして欲しいとしている。
また、経済的な被害を受ける学生も多く出るだろうと予測される。本学では、被害情報を収集した上で、国等から補助を受け、できる限りの援助をしていく方針だ。さらに、交通機関の運行の確認や、使用できる建物の確認、心身相談など、状況に応じた対応をする。迅速な復旧に向け、文部科学省や政府に人材派遣を要請したり、基幹大学へ協力を要請したりといった事も考えている。
実際地震が起きてみなければ、どのような被害が出るか分からないが、できる限りの対策を講じている。学生は、日頃から災害時の行動を考えてみることからはじめてみよう。
