ユニバーシティ・プロフェッサー制度の運用が始まる
国立大学法人化(以下法人化)に伴い創設された「ユニバーシティ・プロフェッサー」の第1号として米カリフォルニア工科大学教授アハメド・ズウェイル氏が本学に招かれた。4月から7月までのおよそ3ヶ月間、学生や教授との懇談会、共同研究等を行なう予定だ。(343号)
「ユニバーシティ・プロフェッサー」とは、ノーベル賞級もしくはそれに準ずる教授を招いて、短期契約で本学の教授となってもらうというものだ。世界の第一線で活躍する研究者と接することで学生、若手研究者に刺激を与えることが目的である。
この計画は2001年度から持ち上がっていたが、法人化以前は国の給与制限があり、その実行が難しかった。しかし、昨年の法人化によってそれらがなくなり、創設が可能となった。この制度が創設される以前にも、ノーベル賞級の研究者を部局単位で呼ぶことはあった。しかし、ユニバーシティ・プロフェッサーの役職は部局ではなく、東北大学に設置ことになる。専門分野にこだわらず、多くの研究グループと交流をしてもらい、学内の研究の横断化を促進させるためだ。
ズウェイル教授は、米カリフォルニア工科大学の教授で、1999年にノーベル化学賞を受賞している。4月9日に来日したズウェイル教授は、10日ほどの滞在の中で、研究者との懇談を主に、講演会、共同研究の打ち合わせ、100周年記念セミナーへの参加などを行なった。今月にも再び来日の予定である。
院生との懇談会は終始和やかな雰囲気で行われた。懇談会は、研究を行なう上での気持ちの持ち方が話題の中心となった。技術的な話はあまりされなかったが、精神面において学ぶことは多かった。
懇談会に参加した院生は、「ズウェイル教授は技術があるだけではなく、いろいろな話ができ、親しみやすい人なので、より多くの人に彼と接してほしい」と語った。
昨年秋の具体案では、1年程度の契約を想定していた。しかし世界の第一線で活躍する研究者を長期に拘束するのは難しく、今回は約3ヶ月間の契約となっている。契約満了を機に交流が途絶えるわけではなく、共同研究は継続していく予定だ。今後はカリフォルニア工科大学の研究施設に本学の研究者が出向いて、そちらで共同研究を行なう可能性もある。
ユニバーシティ・プロフェッサーの候補者は各部局からの推薦を募り、理事や学長らからなる役員会で選出される。次回以降の候補者について、具体的な名前は挙がっていない。
候補者を挙げる基準をノーベル賞としてしまうと、その主な部門が理系分野に偏っているので、文系に焦点が当てられていない制度だという意見もある。しかし、推薦があれば理系のみならず、文系の研究者が招かれる可能性も充分にあるので、幅広い分野でこの制度が活用されることが期待される。

