東北大学新聞:

レッサーパンダを立たせよう

先月、千葉市動物公園のレッサーパンダ風太くんが、ピンとした美しい立ち姿で話題となった。千葉のレッサーパンダが立てて宮城のレッサーパンダが立てないはずがないよね?宮城を代表する動物園、八木山動物公園でももちろんレッサーパンダは飼育されている。そうとくれば我々はやはりそのレッサーパンダを立たせてみなければなるまい。(343号)

我々取材班は八木山動物公園に入ってすぐに、レッサーパンダの飼育場所に向かった。予想外に柵が低く、手を伸ばせば届きそうである。これはイケるかもしれない。一気に期待が膨らむ。もちろんただじっと観ているだけでは立ってくれない。取材班はいくつかの作戦を実行した。
まず第1の作戦は「ハイチュウで振り向いてちょうだい作戦」。名前の通りハイチュウでレッサーくんの気を引いて立っていただこうという作戦だ。実はレッサーくんはエサを与えるとたいてい立つらしい……。(あら?)もちろん本当にハイチュウを与えてはいけない。ハイチュウの香りだけでなんとか立ってはくれないだろうか。動物公園の職員さんに怒られないか、ビクビクしながらハイチュウをゆっくりとレッサーくんの檻の中に差し伸べる。近づいてきてもくれない。と、いうより取材班のこのアグレッシブな行動に気付いていない。っていうかむしろ存在に気付いてないかも。まあ、こんなバカな人間ほかにもたくさんいるんだろうからな。ってことで失敗。
続いて第2の作戦は「威嚇しちゃおう作戦」。これはレッサーくんを警戒させて立っていただこうという作戦である。事前調査によって、レッサーくんは驚いたり警戒したりすると立つ習性があるということが判明した。声マネを得意とする取材班の女性記者がいざ挑戦。レッサーくんが目の前に近づいてきたところを狙って「ジーーッ!!」という、紙面上では説明できないような音を出してみる。レッサーくん、一瞬立ち止まる。しかしすぐに興味を失ったように去って行ってしまう。やっぱり敗北。
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いよいよ取材班が用意した最後の作戦である。ここまで人間を手こずらせるとは……いささか君を甘くいていたようだ、レッサーくん。繰り出すのはずばり「レッサーくんの情に訴えかけちゃおう作戦」。これはただ単にレッサーくんに立ってくれるようにお願いするだけという、安易なミッションである。取材班は悠然と歩き回るレッサーくんに必死にお願いした。もちろん日本語で。「頼むよ~立ってよ~。」しかしレッサーくんはそんな我々の願いを知ってか知らずか、切り株でケツをかく(マーキング行動?)ばかりである。こんなに懇願してるのに君は立ってくれないのか……。というわけで当然のごとくこの作戦も失敗。
あーあ、やっぱ無理だったな。英語でお願いすりゃよかったのかな、「STAND UP!!」とかって。そういや昔そんなドラマあったよな。アイツらネパールとかヒマラヤに生息してんだよ?やっぱり中国語かな。でもさ、よく考えてごらん。さっきも言ったけどレッサーパンダってエサやったら立つんですよ。風太くんは長いこと立っていられてちょっと立ち姿が美しいから騒がれるだけなんですよ。だから全然珍しい光景ではないわけだね、うん。大体立つだけで騒ぐなら俺だって……。取材班が動物園を出ようとした瞬間……信じられない光景を目撃した。な、なんと、レッサーパンダが立っていたのだ!!ついに我々の努力が実ったのだ!!取材班は狂喜乱舞した。取材班はその決定的瞬間の撮影に成功した。とくとご覧あれ!!
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