樋口陽一氏が講演会
5月25日、法学部第1講義室で、法学講演会が行われた。講師は本学出身の樋口陽一氏。「憲法にとっての大学と大学にとっての憲法」と題し、大学と憲法の関わりについて熱く語った。(343号)
この講演会は、本学法学部と法学部同窓会が共催し、法学部在学生と院生を対象に開かれた。参加者は会場がほぼ満席になるほど。世界的にも著名な憲法学者である講師の話を直に聞けるとあり、期待に満ちた表情で話に聞き入っていた。
講演の中で、樋口氏は歴史の中で憲法と大学がどのように形成されたかについて触れた。特に大学については、中世ヨーロッパで、教師と学生のギルドであったという経緯と、王権からの独立が重要だったと話された。
その上で、日本での「学問の自由」のあり方と、大学自治についても展開し、本学でも起こった68年からの学生運動にも話を向けた。当時の学生運動は、伝統的な「大学」を批判し、人民に奉仕する大学にするべきだ、という主張であった。しかし、当時の管理運営委員会の報告では、大学は民主ではなく自主、つまり教授会自治が大切としている。批判に対しては開かれなければならないが、学生に決定させてはならない。教授同士の相互批判で、不適切な者は淘汰されなければならないが、あくまでも民主主義ではいけない、という当時の見解を紹介した。
また、憲法にとっての大学として、自由な社会のための、抵抗勢力の拠点としての役割を強調した。そして、本学の名誉教授である小田滋氏の「大学に効率性を求め、6年で目に見える成果をあげさせるというのは、大学を冒涜している」学士院紀要の文章を引き、法人化を経て、変わりつつある大学に警笛を鳴らした。
