東北大学新聞:

344号一言居士

仙台は梅雨の真っ只中。空は毎日ご機嫌ななめで、しとしとと冷たい雨を降らす。梅雨のイメージといえば、アジサイ、カタツムリ、てるてる坊主、といったところか(344)

▼「雨の日と月曜日はいつも憂鬱」と歌ったのは、カーペンターズだ。朝、外からの雨音を聞くだけで、出かける気が半減する人も多いだろう。カーテンの隙間から見える一面の灰色も、その気持ちに拍車を書ける。この時期から大学に来なくなる学生が多いのは、このためかもしれない▼「梅雨(ばいう)」は、文字通り「梅が実る頃に降る雨」で、旧暦の5月ごろにあたる。カビの季節であることから、古くは「黴雨(ばいう)」とも書いたらしい。昔から人々がこの季節をしのぐのに苦労していたことがうかがえる。食中毒に気をつけなくてはいけないのもこの時期だ▼梅雨が苦手なのは何も人間だけではない。妖怪「座敷童子」も梅雨が苦手だ。座敷童子は、口減らしのために殺された赤ん坊の霊で、そのため死んだ後もおしめをしている。昔のおしめは布製で、非常に湿気に弱いため、座敷童子も梅雨には弱いとのことだ▼人間にとっても、妖怪にとっても過ごしにくい季節だが、この季節に恩恵を受けるところは大きい。日本の膨大な水資源は、この季節によってもたらされる。それによって豊かな秋の収穫が望めるわけだ。梅雨も日本の文化を形成する重要な要素だということか▼いよいよ梅雨も終盤。雷が鳴って、梅雨が明けるのももうすぐだ。

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