法人化で変わる組織
法人化によって、明らかに変わったと言えるのは、まず学内の組織であろう。以前は、学内の代表者からなる評議会が、大学運営に関するすべてのことに関して審議を行っていた。(344号)
しかし、法人化によって学内の組織は4つに分けられた。大学運営に関する重要事項を審議する役員会、大学の経営に関する内容を審議する経営会議、教育研究面の審議をする教育研究評議会、そして学長を選考する学長選考会議である。
今回は、具体的にこれらの会議でどういったことが審議されているのか見ていきたい。
まずは、役員会から見ていく。役員会は、主に学内外の理事や、大学本部の職員らによって構成される。文部科学省など国側に提出する事項に関しての最終決定は主にここで行なわれる。また、予算配分や学内組織の改組、大学間の学術交流など、大学全体にかかわることに関して最終的な審議をする。
次に、経営協議会。こちらは、学内外の理事と本部職員の他に、学外委員からなる。ここでは、大学経営に関すること、つまり予算配分や新たな施設や組織の設置に関わる概算要求など、主に金銭関係の事項について審議などを行なっている。
法人化によって、今後国側から受け取る運営交付金がさらに減少することが予想される。実際その影響で授業料の値上げが決定し、寄付金や新たな財源の確保などについても動き出している。そういったところに学外の有識者から助言を、ということから学外の委員がいるはずだ。しかし、実際の会議では学外委員の半数が欠席ということも少なくない。
教育研究評議会は、主に理事と各学部や研究科の代表から構成される。ここでは、大学入試に関すること、授業カリキュラムや、海外の大学との学術交流、教授や講師などに関する規定、新たな研究機関の設立など、教育研究に関する事項を審議する。
他にも、学生寮や課外活動に関することなども審議している。4つの会議の中では、学生にとって最も身近なことを審議するものだといえよう。
学長選考会議は、経営協議会や教育研究評議会などから委員が選出される。この委員は、学内だけではなく、学外の委員も含まれなければいけないことになっている。次の学長選出から、この会議を通じて学長が選出されることになる。
以前のような学長選挙は行なわない。教育評議会や経営協議会からの推薦か、教授や助教授からの推薦で候補者となり、その後選考会議の面接などを経て決定される。以前よりも民主的であるとされる一方で、学内の教授が選出された場合は、各学部の利益が優先されるのではないかとの懸念もある。
これら4つの会議は、それぞれに主として審議する内容は異なっている。しかし、中期目標や学内組織の改組など、大学全体にかかわることは、学長選考会議を除く3つの会議でそれぞれ審議を行う。
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これらの会議の議事録は、インターネット上でも公開されている。ただ、決定した規約などは見ることができるものの、審議の経過や具体的内容に関しての表記はなく、配布資料の明示もない。審議の経過や具体的にどのようなことを話し合って決定されたのか、ということはよくわからない。
また、これらの会議の構成委員は、他の会議とも掛け持ちしている場合も多い。つまり、会議ごとに主に審議していく内容を分担してはいるが、異なる会議で同一の委員が同じ案件を審議する場合があるということになる。
会議の頻度も審議内容もばらばらであるから、情報の共有には都合が良いのかもしれないが、やはり審議の公平性という面を見ると少し不安があるのではないだろうか。
これらの会議は、学生や他の大学関係者にとって重要なことを審議しているはずの会議である。しかし、そこで実際に何をしているのか、ということはあまりに知られていない。
確かに、インターネット上で公開されており、誰でも閲覧することが出来るが、その事実を知っている人がどれだけいるのだろうか。ただ告知もせずにただ掲示しておけば、そのうち見るだろうということではいけない。決定事項に関して、本当に学生や大学関係者の理解を得たいのならば、もっと積極的に細かな情報提供や開示をしていくべきだろう。
