東北大学新聞:

経済学部西澤教授、バイ・ドール賞を受賞

 本学経済学研究科の西澤昭夫教授が、産学連携・技術移転の推進を支援する国際団体である米国大学技術管理者協会(AUTM)のバイ・ドール賞を受賞した。(344)


 この賞は、米国技術移転の法律創設(バイ・ドール法)にちなんで名づけられたもので、アメリカ人以外の受賞者は西澤教授が世界初となる。
 今回西澤教授がバイ・ドール賞を受賞した理由として、西澤教授が関わっている東北テクノアーツでの技術移転が高く評価されたことが挙げられている。また、昨年開催させたアジア太平洋地域の技術移転関係者を集めたセミナーの実現に尽力したことも高く評価された。
 西澤教授がAUTMに参加するようになったのは1999年からである。当時、産学連携を促進するTLO法の制定などにより技術移転が国内で本格化し始めていた。しかし、技術移転分野で立ち遅れていた日本は、具体的にどのようなことを行えばよいか分からない状態にあった。そこで、知的立国の先進国であるアメリカでの実例を学ぶためAUTМに参加し始めた。
 そして、現在西澤教授は、AUTM諮問委員会と国際学術技術移転機関連盟(IFATTO)の運営委員会として活躍している。
 東北テクノアーツでは、本学の未来技術研究センター(NICΗe)などの研究機関での研究成果を評価し、産業での利用可能性を探っている。そして、産業で利用可能だと判断した技術の特許を申請している。さらに、その特許を利用したい企業を探して売り込み、ロイヤリティーを得る業務を行なっている。つまり、学問を商品化する作業をしているのである。
 本学では、有用な特許の取得など技術移転はうまくいっている。しかし、その移転先は地元の仙台ではなく東京なのが現状である。また、大学発のベンチャーの熟成はまだうまくいっていない。昨年初めて、ベンチャーキャピタルである東北インキュベーションファンドが設立され、ベンチャーの起業がしやすい環境が整えられたという状況だ。
 受賞にあたって、西澤教授は「大変うれしく思っている。しかし、日本での技術移転はまだまだうまくいっていない。特に東北地方での技術移転はまだ明確なモデルを確立できていない。そのモデルの確立をしていきたい」と話した。さらに「大学や政府、企業の人たちにもっとアジア諸国に目を向けてもらいたい。そのためにも、昨年行なった関係者を集めたセミナーの開催も続けていきたい」と今後の意気込みを語った。

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