地震特集・8/16宮城県沖地震を振り返る
8月16日に宮城県を中心にマグニチュード7.2の強い地震があり、北海道から四国にかけて広い地域で揺れが観測された。一時は1978年の宮城県沖地震の再来かと思われた。(345号)
だが、予想より小さい揺れであったこと、今までは約37年周期で強い地震があったのが、まだ27年しかたっていないこと。これらのことから、今回の地震は想定されている宮城県沖地震ではないという見解が一般的だ。県内外に大きな被害がなかったのは不幸中の幸いといえる。
それでも、想定されている宮城県沖地震が早まったという考えもあり、近いうちに再び強い地震が起こるという予測もある。本学大学院理学研究科の長谷川昭教授によると、今回の地震でずれたプレートは、78年の宮城県沖地震を引き起こしたプレートの一部だという。また、78年の地震の前には1936年、1937年にそれぞれ強い地震があった。その2つの地震でずれたプレートは、78年の地震でずれたプレートが2回に分かれてずれた可能性がある。そのため、今回の地震でずれなかったプレートが近いうちにずれることが予測される。
長谷川教授は、この可能性の検証を重要視し、地震発生モデルの高度化、予測精度の向上に努めている。
本学が力を入れている研究は「地震の起こる状態」を調べることだ。
それは小さな断層を作り、断層活動を再現することで地震の起こる断層の特徴を知ろうとする調査だ。何種類もの断層を作り、それぞれを比較することで、「地震の起こる状態」が確認できる。実際に地球を掘って地震の起こる状態を確認することはできないため、この方法はかなり有効だ。
地震の起こる断層を調べる方法として、地震面に注目することを行なってきた。かつてははっきりとした特徴がわからなかったが、本学の調査データにより、ほぼ平行な2つの地震面が強い地震に関係しやすいことがわかった。これは「二重深発地震面」と呼ばれている。この発見により、観測精度が高まったといえる。
地震の被害を軽減するために重要とされていることは、地震の起こる場所を知ること、揺れの強さを知ることだ。本学では来たる宮城県沖地震への対策として、今回の地震の後、仙台市内に新たに地震計を設置した。特に宮城県沖と青森県東方沖のアスペリティ(地震性すべり域)に強固な観測体制を構築して、予測精度を強めている。
