地域イノベーションセンター設立 地域貢献を目指す
本学大学院経済学研究科は、東北地域のイノベーション(革新)能力を構築するための教育研究を目的に「地域イノベーション研究センター」を設立した。同研究科が、組織的に地域貢献活動を行うのは初めてとなる。(345号)
(写真:総括プロデューサーの権教授)
同研究科には、これまで地域貢献を組織的に行う体制が十分に整っていなかった。最近、地域貢献を研究科の重要な使命として設定し、地域イノベーション研究センターを設立することで、これまでの教員の個人的な貢献活動に加え、組織的な取り組みを行うことができるようになった。
センターは、地域の時代に求められる東北地域のイノベーション能力の構築をめざす。そのために、地域イノベーションを牽引する指導的な人材である「地域プロデューサー」育成、地域イノベーション・システム構築、産学官連携ネットワーク構築などの事業を行う。現在、「プロジェクト型教育プログラム」、「起業家育成プログラム」といった事業が計画されている。
プロジェクト型教育プログラムとは、東北地域が抱えている課題ごとにプロジェクトを設定し、教員、院生、実務家が共同で取り組む大学院の授業だ。「地域における連携融合活動ネットワークのマネジメント」を共通テーマとし、「地域イノベーション・システム」「地域医療福祉サービス・ネットワーク」「地域人材育成ネットワーク」の3つの分野のそれぞれにプロジェクトを設ける。
プロジェクトごとに数名の実務家で構成される教育研究支援ネットワークを構築し、その協力のもとでプロジェクトを運営する。
このプログラムのもう一つのねらいは若手研究者のキャリア形成を支援することだ。プロジェクトに参加する院生たちは実務家との人的交流、地域課題についての論文作成、プロジェクト遂行経験の蓄積を通じて、社会で通用するキャリアを形成することが期待される。
起業家育成プログラムは11月からの実施開始に向けて準備が進められている。募集は今月中にも開始される予定だ。
起業家育成プログラムとは、地元のベンチャー企業が学生を数名ずつ受け入れ、2~3ヶ月研修を行っていくというもの。対象は、経済学部の学生、経済学研究科の院生となっており、学部1年生からも応募できる。他学部の学生が参加希望をした場合は、応募の時点で所属学部の許可を得れば参加できる。
このプログラムが立ち上がった背景には、本学の卒業生の多くが県以外の大企業に就職するという現状がある。そのため、地元のベンチャー企業の多くが人材不足という問題を抱えている。それを改善し、東北で活躍するベンチャー起業家を育成することを目的に地元のベンチャー企業と連携して推進しようとするもの。
研修内容は受け入れ先の企業がそれぞれ提案する。センターでは、その提案をもとに募集を行う。参加企業はインターネット関連サービスのスピーディアなど仙台市内の企業10社。今後、参加企業を増やしていく方針だ。
センターの総括プロデューサーである権奇哲教授は「(実際にベンチャー企業で)研修を行うことで、ベンチャー企業を身近に感じてもらいたい。地元のベンチャー企業の成功可能性を実感し、企業や仕事をつくる楽しさを体験することで、東北地域の産業をプロデュースする人材を輩出していきたい」と語った。
