東北大学新聞:

地球ニュートリノ観測に成功

本学の鈴木厚人教授の率いる国際研究チームが、世界で初めて地球ニュートリノ観測に成功した。地球ニュートリノは、地球内部の重くて不安定な放射性物質が崩壊する際、熱等と共に放出される物だ。(345号)

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これは、ノーベル賞を受賞した小柴昌俊東大名誉教授の研究に続く、大きな観測だ。小柴教授の実験は、エネルギーの大きいニュートリノは検出できるが、エネルギーの小さいニュートリノは検出が難しかった。
地球ニュートリノはエネルギーの小さいニュートリノで、50年程前から検出の可能性が指摘されていた。しかし、検出には1000t以上の大規模な実験施設を必要とする。今回の実験で使用されたカムランドは、世界で唯一の1000t規模の実験施設だ。
カムランドは、本体が3000m、観測に必要なバルーン部分が1000mで、直径は13mある。さらにそのバルーンを囲むように光電子増倍管(高感度の光センサー)が1879本取り付けられている。
また今回の実験では、エネルギーの小さいニュートリノを検出できるよう、液体シンチレータ(反応すると光を発生させる油)をバルーンに入れて使用した。小柴教授の実験に使われたカミオカンデでは水を使っていたが、それに比べてこちらのほうが約100倍強く発光する。そのためカムランドでは、原子炉から発生するニュートリノや、地球ニュートリノの観測も可能になった。
現在、地球内部の様子は、地震波や実験室内の再現実験から推測することしか出来ない。しかし、地球の内部から発生している地球ニュートリノは、X線を使ってレントゲンを撮るように直接内部を調査することができると考えられている。
現在は、更に精度の高い観測を目指し、液体シンチレータの純化を計画している。また、地球ニュートリノを発生させる放射性物質が地球上で最も多く分布しているのが地殻であるため、日本の施設では地球の核の部分からの地球ニュートリノの観測は難しい。海上だと地殻の放射性物質が比較的少ないので、ハワイ等で実験が行なえれば更に精度の高い実験ができると予想される。
(写真はカムカンド検出器内部)

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