[特集]小惑星岩石採取・本学の貢献
11月26日午前7時頃に探査機「はやぶさ」が小惑星「イトカワ」に着陸し、イトカワの岩石の一部の採取に成功した。この快挙には、本学の研究グループも大きく貢献している。
吉田和哉教授(航空宇宙工学専攻)のグループは、探査機の着陸およびサンプル採取方式の検討・開発を担当。着陸の際のはやぶさの姿勢維持の方法なども研究した。また、着陸時のシミュレーションを行った。イトカワの地表形状は分かっていなかったので、表面のさまざまな可能性を想定した。
流体科学研究所衝撃波研究センターのグループは、サンプル採集のためのプロジェクター(小惑星表面を破砕する小型銃)を開発した。
はやぶさは、2003年5月9日に打ち上げられた。当初は2007年6月に帰還させ採取されたサンプルを入れたカプセルを投下する予定だった。だが、ガスジェットによる姿勢制御系に以上が生じたため、推定される姿勢変動を生じたため、2010年6月に帰還させる計画に変更された。
小惑星は、主に火星と木星の間を漂う無数の微小天体で、中でもイトカワは地球から比較的距離の近い起動を持つ直径500メートルほどの小さな天体。
地球や月などと違い、熱変成や地殻変動を受けていない可能性が高く、太陽系創生時の組成を保っていると考えられている。わずかな量でもサンプルを持ち帰ることができれば、太陽系に関する知識を大いに深めることができる。
サンプルの採取方法はいくつか考えられていた。イトカワは引力の小さい小惑星で、長時間の着陸が難しいことから、プロジェクターを用いる方法をとった。これは、小さな弾丸を発射して表面部分を舞い上がらせ、跳ねた岩石を採取する方法。秒速300メートルの弾丸を発射するので、硬い岩石でも砕くことが可能だ。採取に成功すれば、月以外の惑星から試料を初めて持ち帰ったことになる。
弾丸を発射するプログラムは正しく行われたが、実際に発射されていない可能性もある。しかし、仮に弾丸が発射されていなくても探査機が着陸した衝撃でも表面部分は舞い上がるので、サンプルが得られている可能性は高い。どの程度採取できたかは、帰還したカプセルを開けるまでは分からない。
吉田教授は「採取は成功しているはず。心配なのは、探査機が無事帰ってくるかどうかだ」と語った。
