東北大学新聞:

正月大決戦


 正月はバラエティの特別番組が多い中で、天皇杯決勝、箱根駅伝、ラグビーなど数々のスポーツが繰り広げられ、覇者を決める。我々も決着をつけなくてはいけないことがあった。宮城県のトップだ。もちろん相手は東北私立の雄、東北学院大学。

 絶対に負けないと鼻息を荒くしながらも、シャイな僕はドキドキしながら連絡をとる。出てきたのは学院大新聞会委員長のハルさん。彼女のキレイな声にさらにドキドキ。とにかく、内容を告げる。「是非やらせて頂きます」向こうもやる気だ。かくしてここに宮城県トップ決定戦開幕が決定した。
 新聞部のカールとともに学院大土樋キャンパスに到着。自転車で構内に入ろうとした所をガードマンに呼び止められる。「他大学の方ですね。自転車は裏に回って駐輪場に停めて下さい」変質者と思われたかと思った。対決前に精神的に負けそうになりながら、ハルさんと合流し、和室に通された。「おいおい本格的じゃないか」と思ったら部室が小さいから代わりだってさ。
まずは勝負方法の確認。対決は3本勝負。勝敗を決めるのは知力・体力・時の運。ならば、それをひとつずつ競い合おうじゃないか。競技はこの時期なら当然正月独特のものがいい。
1本目は百人一首で知力比べ。しかし学院大が百人一首は初心者であることが判明。腕に少し覚えのある我々は楽勝ムードを漂わせ、3対2のハンデ戦を承諾。
 順調に始まった百人一首。しかし、枚数に差が出始めたところで読み手のアイさんが下の句だけを読むという暴挙に出た。これでは百人一首経験は無意味。追い上げをみせる学院大。結局61対39で我々2人が勝利を収めた。
 2回戦、取り札が何か違う。「ん、カラフルだぞ」。そう、読み札を取り札にしての変則戦。初めての試みに戸惑う一同。あまりの取り手達の遅さに業を煮やした読み手アイさんの乱入。途中からもう一人介入。5対2の戦いとなるも終わってみれば1回戦と同じような枚数差で我々の勝利。
坊主めくり
 2本目は坊主めくりで運比べ。ここは公平さを出すために2対2で行った。
 学院大はユウさんとタツさん。逆に運がいいんじゃないかと思うくらいボウズを引く僕を尻目に順調にヒメを引き、札を増やすユウさん。このまま負けるのかと思ったラスト一周、奇跡は起こった。ユウさんがボウズを引いたのだ。チャンスは1回。まずは僕。引いた札はまさかのボウズ。自分の札を場に出し、後をカールに託す。祈りは通じ奇跡は2度起きた。カールはヒメを引き勝利を収めた。
 選手交代で2回戦。相手はハルさんとアイさん。1回戦と逆に序盤カールが札を回収していく。このまま知力に続き勝ち、完全勝利に王手をかけるかと思われた。しかし、神は場の空気を読める人だった。またまた最後の1周、Kが坊主を引いてしまったのだ。「ウオォォォォ!」部屋が揺れる程の盛り上がりをみせる一同。残る札は3枚。ハルさんの番。興奮のあと静寂が訪れる。息を飲む音が聞こえそうだ。札を選び、裏返す。「ヒメ!」歓喜の叫びと拍手が狭い室内にこだまする。2回戦は学院大の勝利。確かめると3枚中2枚がヒメ。どうやらこの場の勝利の神は男だったようだ。
 勝敗を1勝1分とし3本目。羽子板の体力勝負で決着、といきたいところだったが、ここで悲しいお知らせが告げられた。羽子板がない。
 何を隠そう僕は前日仙台の街中を羽子板求め走り回った。けれど無い。独楽、剣玉、凧、その辺はあるのに何故か羽子板が無い。自宅生の友達に聞いても持ってない。何なんだよ、まったく。こんなんだから現代の若者が昔の遊びを忘れるんだ。などと思いながらも仕方ないからバドミントンで代用。ルールは10点先取の単純なもの。
 風が吹き、雪がちらつく中、1回戦はハルさん・アイさん組とダブルス。我々は空振りを連発。気がつけば10‐7であっさり敗退。続く2回戦はシュクさん・タツさん組と。9‐7と追い詰められる。ここで負けたらただの頭でっかち。そんなのはイヤだと意地をみせる。同点に追いつき、まさかの逆転。勝敗を1‐1とする。
 相手の土俵で倒してこそ、と変なこだわりを見せ3回戦、僕とシュクさんのシングルスで決着をつけることにした。ラリーの続く白熱した名勝負を繰り広げるも、9‐7とシュクさんリーチ。だが、坊主めくりで嫌われた分ここで勝利の女神は微笑んでくれた。シュクさんがミスを繰り返し同点。流れはこちら、そのまま逆転に成功し、勝利を収めた。
 午後2時から4時間に及ぶ激闘。その長い戦いを制し我々は勝利を噛み締める。しかし、喜ぶのはまだ早い。倒さなければならない敵はまだいる。さぁ次は東北制覇だ!

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