東北大学新聞:

地域医療アンケートを実施

東北地方の全病院・医師を対象としたアンケート調査が、地域医療システム学寄附講座と地域医療教育開発センター(ともに本学大学院医学研究科)の共同で行われた。常勤の医師数などを詳しく調べる試みは全国的にも初めて。アンケートは病院と医師それぞれに行った。(348号)

病院への質問は41問。病院の実態や医師不足問題とその解消などについて尋ねた。病床数や医師数などの調査と、医師不足や日本の医療全体の改善に向けて意見を求めた。
医師に対しては57問。勤務実態や医師不足問題について10項目の質問をした。勤務日数や勤務時間、受け持つ患者数などのほか、インターネットによる医療情報取得についての質問や、病院への質問と同様に医師不足問題への意見・要望を求めた。
アンケートは昨年10月1日付けで送付され、現在は回収段階。約3000件はすでに回収し、返答がない病院に対しては催促の連絡をする。最低でも病院ヘの質問は5割、医師への質問は2割の回収を目指す。
このようなアンケート調査を行うことになった経緯には、東北地方の医師不足がある。人口10万人あたりの医師数は6県とも全国平均を下回っている。さらに病床数500を超える大病院が少ないため、新卒の医師も集まらない。そのため常勤の医師が足りなくなり、大学病院などから派遣される非常勤医師を頼らざるを得なくなる。しかし十分なデータがないため、改善のための議論も現在まで進めることができなかった。
代表の伊藤常敏教授は「実際に働いている医師数を出し、地域医療の現状を示したい。どれくらいの人数が必要で、現在どの程度足りないのか、厚生労働省や一般の人に訴えていきたい」と話す。
本学医学部を含む全国の大学で発覚した医師の名義貸し問題。その根本原因解決の一環として、今回の調査は行われた。集計した結果は、地域医療体制のあり方と医師支援のために活用する。報告書などの形で公表もする予定。

Copyright (C) 東北大学新聞