東北大学新聞:

<えばーとんの食べ歩きレビュー>ハンバーグのお店、ビッグマウス

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仙台牛100%使用――この旗印のもと仙台で着実に支持を集めているハンバーグとステーキの専門店がある。仙台駅から青葉通を北上、南北に走るアーケードをサンモール一番町側に折れたところにある「ビッグマウス」だ。大きく口を開けたカバの看板が目印。ハンバーグを作り続けて36年になるマスターが手がけるこの店には、かのスピッツや安室奈美恵も訪れたことがあるという。食べ歩きレビュー第4回目となる今回は、伝統の味を守りつづけるこのお店にスポットを当てたい。(348号)

 
 ドアを開けるとそこは飾らない照明につつまれた、落ち着きある空間だった。外の寒さを忘れさせる暖かい空気と心地よい音楽。ワインが整然と並べられたカウンターで馴染み客と談笑を交わすマスター。私は現実のあわただしさがウソのようなこの空間に恍惚としながら、早速この店自慢の料理、「ハンバーグステーキ」と「ビッグマウスバーガー」を注文した。
 
 ハンバーグステーキは仙台牛100%の自慢の味をそのまま賞味できる主力メニューだ。ジュージューと音を立てながら運ばれてくるハンバーグから、惜しみなくかけられたケチャップのいい香りが漂う。きれいに盛り付けられたサラダとポテトが料理の彩りを鮮やかにし、食欲をそそる。ライスが運ばれてくるまでの、この少しのタイムラグでさえ私を魅了するのには十分な時間だった。
 
 染み出る肉汁に微笑を浮かべながら一口大の大きさにナイフを入れ、口の中へ。するとすぐにケチャップのほのかな甘みと酸味が全体を支配する。そして細かく切られたタマネギがシャキシャキと心地よい食感を与える。主役のハンバーグは外がこんがりと香ばしく、それでいて中がジューシーでやわらかい。しかし決して脂っこいわけではない。味はしっかりしているがあっさりとした口当たり。ことわざで言うなら、能ある鷹は爪を隠す、といったところであろうか。このハンバーグだからこそ、ふんだんにかけられた特製ケチャップが味をうまい具合に引き立てるのだろう。また付け合せのポテトが淡白なやさしい味で、しっかりした味のハンバーグとうまく絡んでいた。
 
 ビッグマウスバーガーは自慢のハンバーグを2枚はさんだダブルバーガーで、そのボリュームで観る者を圧倒するハンバーガーだ。「大きく口をあけてかぶりついてほしい」マスターはこう話すが、一番下から上のパンまで推定20cm。ハンバーグの厚みが収縮を許さないことを考えると、挑戦するにも勇気がいる。
 
 しかしここで負けては男が廃る。その思いで果敢に挑んだ。パンを手にしたところ、肉汁がしみているのか意外にもしっとりとした手触り。強く持つと中の2枚のハンバーグがすべりでてきてしまいそうだ。やさしくつかんで、それでいて力いっぱい大きく口をあけてガブリ。なるほど、看板の大きく口を開けたカバはまさに私のような人間を描いたのだろう。
 
 このハンバーガーは、上蓋であるパンのすぐ下に添えられた、大きなオニオンスライスが特徴。先のハンバーグステーキの味にこのオニオンスライスと、パンの所々に塗られたマスタードが少しの辛味をみせ、アクセントを与えている。しかしソース類はこれらの他に特に見られず、この下手にソースを使わないシンプルなスタイルが、ファーストフードのそれとは一線をかくし、本来ハンバーグが持つべき肉の旨味を存分に味わうことができる。ボリュームで人を圧倒するものの、味のこだわりが最優先。これが人気の所以だ。
 

 ランチにディナーに最適のビッグマウス。またハンバーグの他にも、20種にもおよぶソフトドリンクや、インドネシア原産の、良質で繊細なアラビカ種を用いたトラジャコーヒーを楽しむこともでき、カフェとして待ち合わせにも適している。サンモール一番町のビッグマウス。この名は頭にとどめておきたい。

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