[東北大の論点]おおわんの実態に迫る
東北大にて大学生活を送る上で、ちょっと気になることや不満に思うことはないだろうか。サークルや就職、履修登録、学生に関わる問題は多いが、論じられることは少ない。本紙では、複数回に渡って東北大を巡る「論点」について特集していく。今回取り上げる論点は「おおわん」。生協と学友会の間で揺れる存在を問う。(350号)
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おおわん(東北大生協学生委員会)は、本学の学生団体のひとつ。学友会の一機関である生活部でもあるが、他の学友会組織に比べて、少し変わった性格を持っている。それは、生協と協力して活動するという、活動の特殊性だ。
例えば、厚生会館前で行っているいくつかのイベントは、おおわんによって主催されている。昨年は、企業によるヘアチェックテストイベント、食堂新メニューの試食会などが行われた。いずれも、生協職員が強く関わっており、使っている施設も厚生会館などの生協が管理する施設だ。
また、おおわんは厚生会館内にある専用の部室を使っている。電話・インターネットが完備されているなど、通常のサークル施設に比べて利便性が良い。
また、大きな特徴として、生協からの金銭的な支援がある。これは、生協がおおわんに対して数十万円単位のお金を活動保障費として支払うというもの。このため、おおわんのメンバーは月数千円から1万円強の収入を得ている。
この金銭受け取りについてはおおわん内でも意見が分かれており、数人が「私たちはサークルであって給料をもらう立場にはない」等の理由により受け取りを拒否している。
なお、生協側はこの金銭負担について「ある程度時間を拘束してしまった代償として支払っているもので、給料とは別物」としている。
他にもおおわんの活動は多岐に渡る。オープンキャンパス時の高校生案内、受験時のバス案内、新入生向けの交流会企画や、時間割決め大会などだ。これらも生協による活動場所提供などの支援が行われている。
生協機関紙であるT~CCの発行もおおわんの主要活動だ。T~CCは単色刷り、十数ページの広報を目的とした月刊誌。生協食堂などで無料配布されている。計3500部が発行されており、生活情報や海外紹介、社会問題に関するコラムなどがおおわんメンバーにより書かれている。ほか、サークルなどの学生団体の紹介記事、教授へのインタビューなども掲載されている。
T~CCについては、編集を外部委託していること、冊子自体がかなりの頁数であることから、相当額の予算が投入されているとみられる。本紙試算では予算規模は毎年100万円以上に上ると考えられ、ここ数年赤字決算を続けている本学生協にとっては相当な経営負担となっていると思われる。
資金の流れに透明性必要
学友会生活部・生協学生委員会という2つの側面を持つため、おおわんの存在をグレーゾーンだとする見方も多い。サークルとアルバイト両方の性格を持ち、位置づけが難しい。学友会生活部としての立場も非常に微妙なものになっている。
だが、一方でおおわんの担う新入生向け企画などが果たす役割も大きい。時間割決め大会やオープンキャンパスでの活動は新入生や高校生にとって大きな助けとなっている。こういった組織的な活動を行う団体は少なく、おおわんの功績は認める必要がある。
また、金銭負担の問題についてはおおわんではなく、生協側に原因があるとも考えられる。生協内には「おおわんに協力をさせれば正規の手続きでアルバイトを雇うより遥かに低予算で活動が行える」との立場をとる人もいる。だが、生協の活動をいくらかの資金を供給する代わりに学生団体に任せている、と考えれば生協側に批判が及ぶのは必至だ。
おおわん内部の姿勢についても疑問は残る。本紙の依頼に対しおおわんは「資金についてはおおわんの内部事情に関わる問題であり、多くの東北大生に晒されて良い問題ではない」と取材を拒否した。
生協は組合員の出資金によって経営が成り立っているため、ある程度予算執行に対して説明責任がある。例えば、毎年行われている生協の経営報告は出資者である学生・教職員などに対して説明をするものだ。おおわんの予算執行についても情報の開示は必要だ。おおわん・生協の両者はは資金の性格を公の場で明確にするべきだ。
T~CCに関しては、あるおおわん関係者が「バックナンバーが大量にあまっている」と話すなど、その広報効果には疑問が残る。おおわんは利益を追求する団体ではなく、生協と全く立場を同じするものでもない。生協にとって適切な広報誌を発行することは難しい。
T~CCの発行活動の際には、生協から予算が出されていることに配慮しなければならない。場合によっては頁数、発行頻度を縮小することも検討するべきだ。
おおわんの活動自体は必要なものだ。だからこそ、おおわんは公正さ・透明性を保てる団体の位置づけを模索し続ける必要がある。(本紙記者)
