東北大学新聞:

石田・貝沼研究グループ ゴムのように伸びる鉄

石田・貝沼研究グループは、今回のコバルト耐熱合金の他にも産業への応用が期待される合金の開発に携わっている。(350号)

同研究グループは今年1月、室温で10―13%伸縮する鉄を主成分とした形状記憶合金を開発した。この合金は強磁性と、超弾性という特徴を持っておりゴムのように伸縮する。
これまで超弾性の形状記憶合金には、主にチタンとニッケルの化合物が使用されていた。今回、鉄が主成分ということで製造コストを抑えることができる。強磁性かつ室温で超弾性ということで様々な分野への応用が期待されている。
また、これとは別の形状記憶合金が2月23日のネイチャーに発表された。この合金は磁場を印加することにより形状を回復し、ニッケル、マンガン、インジウムから成っている。
これまでの形状記憶合金は、熱を加えるなどの温度変化により形状を回復していた。磁場印加による形状回復合金が開発された事で、より幅広い分野での応用が考えられる。
環境に関連した研究も行なわれている。欧州では、家電製品への鉛など6種類の金属の使用を原則禁止する有害化学物質規制(RoHS指令)を今年7月より開始する。鉛は金属材料として有用で、これまで多くの製品に使われてきた。鋼に鉛を添加すると快削鋼と呼ばれる材料ができる。削り加工に適し、シャフトなどの原材料となる。研究室では、鉛の代わりに硫化物を制御して同様の性能を発揮する快削鋼を開発し、プリンタのトナー用シャフトを始め実用に供されている。

●RoHS指令
電子・電気機器に特定の有害物質の使用制限についての欧州連合(EU)による指令。制限の対象となる物質は鉛、カドミウム、水銀など6種類。

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