カーボンナノ新素材を開発・多元研
本学多元物質科学研究所の京谷隆教授らのグループは3月20日、「カーボンナノポッド」を開発したと発表した。水の中で分散する性質があり、実用化にも適したナノテク素材として、注目されている。(350号)
ナノポッドの合成方法として、まず大きなポリマーのなかに、球形のポリマーナノ粒子を埋め込む。次に、その大きなポリマーを引き伸ばす。すると、中の球形のポリマーナノ粒子も引き伸ばされ、えんどう豆のさやのような形になる。そのさや状のポリマーを取り出し、熱を与え炭素化させるとカーボンナノポッドが完成する。
ナノポッドの開発は初め三菱化学科学研究センターにより行われていた。しかし、さや状にしたポリマーを炭素化させる際に、さやの形状を保つことができなかった。
そこで、この点を解決するために京谷教授らのグループに依頼し、その後共同研究をするに至った。京谷教授らは炭素化の前に、さや状のポリマーの周りを無機物で覆うことを提案。これにより、形状を保つことに成功した。他の合成過程でも、共同研究を重ね、カーボンナノポッドを完成させた。
カーボンナノポッドには、水の中で分散する性質や、電気を通す性質がある。さらに、炭素自体が持つ酸性やアルカリ性に対して強い性質、生体に対して比較的やさしい性質により、様々な分野への応用が期待される。
産業面では具体的に、タイヤなどの補強材や、インクジェットプリンターのインクとしての利用、電気を通すプラスチックの開発などが検討されている。また医療面では、患部へ直接薬を運ぶカプセルとしての利用が期待されている。
