東北大学新聞:

351号一言居士

「先輩、あなたはズルい」。私と食事をしていた友人にいきなりそんな言葉が浴びせられた。突然の出来事に驚いた私は箸を置き後ろを振り返った。すると、そこに立っていた女性がもう一度同じ言葉を発した。破天荒な生活を送る私の友人のことだ、その女性とのあいだで何か問題でも起こしたのかと冷や汗が出た。しかし女性は満面の笑みを浮かべていた。はて、どうしたことか(351号)

 あとでその友人に聞いてみたところ、真相はこうらしい。友人はその女性のボーイフレンドと非常に親しく、夢を語り合う仲。その女性は、ボーイフレンドがガールフレンドである自分よりも、私の友人に内面を曝け出しているということを「ズルい」と表現したらしい。恋人のことを誰よりもよく知っていたいという恋のひたむきさに心打たれた。いや、というよりはそこまで想われているボーイフレンドのことを羨ましく思った
 『愛されるよりも愛したい』というキンキキッズの歌がある。しかし近ごろは私のように、愛したいというより愛されたいと感じている人が多いのではないだろうか。他人のことに関心を持つことができない、自分のことしか興味がないような人が多いように感じる
 自分に関心をもってもらう、誰だって嬉しいものだ。それだけでは、それこそ「ズルい」。例のボーイフレンドのように人に想われるには、まずは自分が人に関心を持たなければならないのだろうと思う。相手のことを親身になって考え、そして話を聞く。人間関係の基本だ。それができる私の友人のような「ズルい」人間になりたい。

Copyright (C) 東北大学新聞