東北大学新聞:

「文化と研究の両立を」楽天キーナート氏が提言

本学は5月、特任教授のマーティ・キーナート氏により書かれた「キーナート報告書」を本学ホームページに公開した。キーナート氏は楽天球団のチームアドバイサーであり、本学ではスポーツ学を教えている。(351号)


キーナート氏は昨年11月に特認教授に就任、施設や食堂に関してのアドバイスを大学側に評価され、大学側がキーナート氏に正式に報告書を作るよう依頼し、報告書ができた。3ヶ月にわたって多くの教職員、学生の意見などを聞き、3月、総長に提出された。
報告書では、特にキーナート氏の母校のスタンフォード大学を主としたアメリカの大学と比較して、本学が「世界最高水準の大学」を目指すために何が足りないかが率直に述べられている。
世界の有名な大学は独自の文化を持ち、学生たちに学業以上のものを教えようと努めている。しかし、本学は研究だけに重点がおかれ文化を欠いており、バランスの取れた教育ができていないとある。
また本学卒業生は学部やサークルで出会った友達や教授への愛着心はあるが、学校全体に対する愛着心を持っていないと指摘している。
アメリカの大学では、毎年、アメフトやボートなど卒業生をキャンパスに呼ぶ行事が盛大に行われ、卒業生に限らず教職員、在校生が集う機会として利用されている。また、活発な同窓会組織があり、多くの寄付金を集めている。本学もそれをならって同窓会組織を強化し、卒業生が集まれる行事を定期的に行うべきだとしている。
さらに、本学に学生たちの憩いの場がほとんどないことを指摘し、雰囲気の良いコーヒーハウスや、晴天の中屋外で集まれるベンチやテーブルを設置すべきだと提案している。
キーナート氏の提案を受けて本学は、来年10月に大学創立100周年事業の一つとして、スポーツイベントなどの卒業生が集まることのできる行事を行うことにした。
川内記念講堂をコンサートホールにすることも検討されている。音楽という文化を持ち込むことで、本学独自の文化を創出するのを目的とする。また、現在計画段階の青葉山新キャンパスに、本学生の憩いの場となる緑地の広場を作ることが検討されている。
キーナート氏は本紙の取材に対し、彼の大学の後輩であり、全米フィギュアスケート黒人初のチャンピオンに輝いたデビ・トーマスを例に挙げて、「彼女は優れた学力によりスタンフォード大学に学費全額免除で入学し、機械工学の学位の取得のみならず医学部も卒業した。本学学生も一つのことに専念しすぎて他を犠牲にすることなく、バランスの取れた人間になって欲しい」と語った。

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