東北大の白寿を祝おう
東北大学、誕生日おめでとう。本学は今年の6月22日で創立99周年を迎えた。人間で言えば白寿だ。東北大学新聞は昨年に引き続き創立100周年に向けて、東北大学の誕生日を祝うための企画を行った。
99周年の誕生日はナインティナインに祝っていただきたい。誰かがつぶやいた。しかしどうやって。私たちは言葉を失った。「オールナイトニッポンに葉書を送ってみないか?」沈黙を破る声。さらに彼はこう続けた。「99枚」。
木曜深夜の「ナインティナインのオールナイトニッポン」。99枚も出せば1枚くらいは彼らの目に止まるだろう。彼らに東北大学の白寿を祝ってほしい。東北大学に最高の誕生日を迎えて欲しい。何かに挑戦するのに理由などいらない。強い意志と熱い心、それ以外に何が必要だというのか。
私たちの挑戦は始まった。99枚の葉書を買い、まずは宛名から書き始める。しかし、思わぬ苦労の連続、「オールナイトニッポン」と書くべき所を「オールナイト日本」と書いてしまう。「御中」の「御」が書けない。そしてまた同じ失敗。仲間にまた馬鹿にされる。一心不乱に宛名を書き続ける私たちに先輩は言い放った。「これ、葉書職人じゃなくて葉書工場だなあ」。
宛名書きも終盤に。ミスが目立ち始める。間違えて「ニッポン送」と書きかける、それを修正するが勢いで「放」に「しんにょう」を書いてしまう。字が汚くなってきて「ニッポリ放送」に見える。しかし宛名書きは悲劇の始まりにすぎなかった。
宛名が完成し、裏面の文面書きへ。熱心に葉書を書く私たち、その姿に感動し、冷やかしで2枚ほど書いてくれる先輩方。みんなが一つの目標に向かって頑張った。私たちは一つになった。
しかし、その結束は長くは続かなかった。原因は私にあった。「ナイナイの岡村はおじいちゃんだから読みやすい字しか読めない」。それは、公式サイトにも書いてある重要な投稿規定である。にも関わらず汚い字で葉書を書く私に仲間たちの怒りの声が次々と上がる。「読めない」「なんて書いてあるの」「きれいに書けや」「お前のは字じゃねえ」「衝撃だわ」「お前、字書くの禁止」そして私は除外されたまま作業は進む。「出来た」仲間たちから歓声が上がった。ついに出来上がった99枚の葉書。手に持っても、数えても、並べても、そこには確かに99枚の葉書と仲間達の笑顔があった。私たちに出来ることはすべてやった。人事を尽くして天命を待つとは、まさにこのことだ。
そして待ちに待ったラジオ放送日。ナインティナインが私たちの葉書を読んでくれるのをひたすら待つ。W杯の話題を長々と喋り続けるナインティナイン。早く葉書を読んでくれ。そして葉書のコーナー。私たちの葉書はまだかと待ち続ける。が、いつまでたっても読まれない。そしてそのままコーナーは終わってしまった。私たちの挑戦は「不採用」という最悪の結果に終わった。
気を取り直して私たちは99歳の誕生日を祝い、99個のケーキを食べることにした。だが1人では無理だ。そこで3人ずつのチームを2つ作り、チームで99個に挑戦することにした。Aチームは編集長とM先輩、そして先月のネタ担当者ベッカム。Bチームは私と女性部員のHさんとTさん。制限時間は60分、1人あたりのノルマは33個だ。挑戦場所は愛子にある「仙台ヒルサイドアウトレット」内の「ラ・ヴェランダ」。土・日・祝日はケーキバイキングをやっている。
豪快にケーキを皿に盛るみんな。いろんな種類のケーキをとり「おいしそう」「早く食べたい」「何も食べてきてない」「キュウリしか食べてきてない」などの声が飛び交う。
「いただきます」の言葉と同時に食べ始める私たち。おいしい。小さいし、種類もいっぱいある。33個くらい余裕じゃないか。順調に食べる。そして皿が空いておかわりを取ってくる。新しい種類のケーキが追加されている。おいしそう。またたくさん盛る。ああおいしい。しかし2皿目の途中から私たちに異変が起こり始めた。ちょっときつくなってきたのだ。最初から飛ばしすぎたか。気を取り直すべくベッカムが皿に大量のケーキを盛り、一気食いに挑戦。すぐ撃沈。彼の無様な姿を冷笑しながら順調に数を稼ぐTさん。チーズケーキはないのかと文句を言い出すHさん。
それから私たちの食はほとんど進まなかった。どのケーキも食べた。どれも砂糖の味しかしない。ベッカムは27個で朽ち果てていた。編集長、M先輩、Hさんは3人とも18個しか食べていない。トップを走っているのはTさんの30個で私が28個と続いた。あと少しだがもうダメだ。制限時間が迫ってくる。誰一人として動く者はいない。
ここは私がやるしかない。私はノルマ達成に必要な残り5個を取り、食べきった。苦しかった。もうだめ。食べられません。長い戦いが終わろうとしていた。そのとき、Hさんが立ち上がる。「私の勝ちですよ、編集長」そう言ってケーキを2個食べる。女性って怖い。そして戦いは終わった。最終結果はAチームが計63個。Bチームが計83個。99個には届かなかったが、私たちは99という数字がいかに偉大なものか身をもって知ることができた。
