東北大学新聞:

指サック型展示読取装置を開発・工学研究科田中真美助教授

本学大学院工学研究科の助教授が、指先にはめて使用するサック型の点字読み取り装置を開発した。(352号)

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点字をなぞるとセンサーが突起を感知するというもので、入力される電気信号を波形化して読み取る。それをパソコンに蓄積された文字データと照合し、文字に変換、解析するという仕組みだ。
装置には圧力が加わると電圧が発生する触覚センサーを使用している。これは前立腺がんの触診などに使われている技術だ。
この研究は6年前に始まった。きっかけは視覚障害者のための本の朗読が入ったCDを販売している企業にもちかけられたことだった。そのころ田中助教授の研究室ではちょうど触覚関係の研究をしており、企業側と意気投合、開発が始まった。開発が長期化の様相をみせると、企業側は研究から撤退。しかし研究室ではその後も研究を続け、ついに開発にいたった。
この装置の特徴は直角三角形型のセンサーだ。これは点字の文字列に対して垂直になるように設置されている。直角三角形型にすることにより、点字の段ごとにセンサーが感知する時間が異なる。点字それぞれに独特の波形が現れるため、1つのセンサーのみで文字を認識することができる。
この仕組みの開発により、外国と日本で若干異なる点字規格にも対応でき、汎用性が高くなった。このセンサーの開発に大変苦労したと田中助教授は語る。
現段階では五十音とアルファベットを高い精度で認識可能。今後の課題は、濁音など三列の特殊な点字を認識できるデータベースの構築に加え、音声化、小型化、識別率の上昇だ。
点字の感知後にパソコン内の文字データと照合するため、データベースの構築は必須だ。
また指の先までセンサーを拡張する必要もある。現在の装置ではセンサー部が指の腹の位置にしかない。そのため壁などに書かれた点字をよむには指を壁に平行になるように置かなければならず、実用性に乏しい。
小型化、音声化にはまだ時間がかかる。現在の処理装置では対応できないためで、新しい処理装置自体の開発や、それに対応するデータベースを新たに作り直す必要がある。商品化には数年かかる見込みだ。
視覚障害者のために点字が使われているが、実際に点字を理解できる人は1割程度しかいない。今回開発された装置は、多くの視覚障害者の助けになるとして注目を集めている。
「糖尿病で後天的に視覚障害になった人や、高齢化で指先の感覚が鈍ってきた人は、家に引きこもりがちになってしまいがち。視覚障害者が達成感や外出する自信をもてるように、自分で使えてどこにでも持っていける装置にしたい」と田中助教授は語った。

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