アイリスオーヤマ社長 大山健太郎氏インタビュー
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学生時代にどのようなことを学び、どう社会と触れ合っていけばいいかを、アイリスオーヤマ社長大山健太郎氏に聞いた。
——大学時代にすべきことはなんだと思いますか?
学生時代でないとできないこと、社会人でないとできないことというのがある。社会人になるといろんな制約があって、あれもこれも、というわけにはいかない。例えば会社員になると、会社の規約があるし、時間も拘束される。だから、比較的自由にいろんなことができるのは、お金はないけれど、学生時代しかないと。もちろん、学問を究めるのは大事ですよ。でもそれよりもまず学生時代にいろんな経験をすること。アルバイトしてみたり、旅行をしてみたり、また全然違う(学部の)ゼミに参加してみたり。いろんなことを経験して、幅を広げてもらいたい。これは社会人になってからではできないことだね。社会人になるとね、例えば当社もそうだし、まあ大会社一般にそうなのだけど、会社が大きくても入ってしまうと、所属する部署、製造なら製造、物流なら物流のなかでしか仕事をできないの。だからある意味で言うと不完全になってしまう。だから、学生のうちにいろんな経験をして欲しい。ただし絶対条件は、やっぱり単位を落とさず卒業するということ。これを忘れて6年も7年も大学にいる人がいるからね。
——東北大学で講義を行っていますが、東北大生はどう見えますか?
いいよ。本当にいいよ。他にもいろんな大学で講義してきたけど、(他の大学と比べて)ものすごく意欲があるなと。それといいのはね、学生が全国各地の出身なのね。だから関西出身の人もいれば、北海道の人、東京の人もいる。そういう中でお互いの緊張感があるんでね。学校で教えてる時は、学生素晴らしいなと感じるね。ただ、会社に入ってしまうとおとなしくなっちゃう。東京の私立大出たやつのほうが、学校ではチャランポランで寝てるんだけど、会社に入ると突如元気が出てくる。そういう感じ。
——東北大生も会社で元気よく活躍するにはどうすべきですか?
東北大学だけじゃなく、国立大の受験はすべての教科において優秀でなければ入れないのね。私立の人は、2教科とか3教科で受けるでしょ。だから極端な話、数学ができなくても英語がべらべらしゃべれる人が入れたりする。何か得意科目で彼らは入っていけるわけ。そういう意味では、皆さんは不得意科目をなくすのが得意な人たちなのね。裏を返せば特徴が出にくい。だからやっぱり、自分にしかできないオリジナルをもっと前面にだしたほうがいいと思う。私には皆さんがお利口さんに見えてしまうのね。それは悪いことではないんだよ。でも、もっと個性を出したほうがいい。
——大山社長は大学に進学せずに社長になったそうですが、大学に行くのと行かないのではどう違いますか?
僕が大学に行けなくて社会で学んだことは自分が知らなきゃいけないこと。同じ学ぶ量でやっても、大学とは全然必然性が違うわけ。確かに、(大学で学ぶことには)知らないよりは、知ってたほうがいいことがたくさんあるよ。でも、社会に出て勉強するというのは、知らなければだめなことを勉強するわけね。だから身につくのが一段上なわけ。たまたま僕の場合は、先輩も上司もいないから、すべて自分で勉強しなければならなかったわけ。お客さんから学ぶこともあった。先生から教わるのは給料が出てるわけだから、当然教えてくれるけど、お客さんは逆に物を買ってもらってるわけだから、教わるのが大変なのね。だからこっちはお客さんから学ぼうと1聞いて10分かろうと真剣になるわけ。学生は10聞いて1しか分かろうとしない。そこの違いがあるね。だからまず自分の知りたいことを、趣味でもなんでもいいから好奇心もって追求していく、それが大事だと思うね。
——物が多すぎて受身になってしまい、一つの物に好奇心を駆り立てられることの難しい時代だと思うのですが?
そう。それが日本の一番の問題ね。我々の時代には物がなかったから、必死に努力した。今は、情報が多すぎて、結局は何していいかわからないというのが現実。僕はね、好奇心とは何かといったら、やっぱり志だと思うの。だから自分で一番大事な志っていうものをまず決める。だけど、一度決めた志は変わるかもしれない。でも、変わってもおかしくないの。学生の時はね、友達から聞いたりね、周りから聞いたりして、自分のやりたいことはこれだと思ったりするの。でもこれは一部の情報で決めてるの。それがまた新しい情報を得て、感情が変化したら、変えればいいの。変化はチャンス。まあ、学生時代は志を変えるのは悪いこと、みたいな美学っていうかこだわりがあるのね。これも大事なんだけどね。それはそれでいいんだけど、自分の志というのは、人と出会って、聞いて、はっとして変えてもいいし。また違う人から聞いて、本読んで、素晴しいなと思ったら変えればいいの。そうして志を決めていけば良いと思う。
——本日はありがとうございました。
