東北大の論点 問われる法科大学院
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先日、新司法試験の合格者が発表された。本学の合格者は20人と、不満足な結果であった。合格率をふまえ、法科大学院の質を問う。
法科大学院は、法曹人口不足の解消を目的として平成16年に設立された。予備校のような合格するためだけの知識の詰め込みではなく、広い視野を持った法律家の養成を目指して授業が行われる。法学部卒業者を対象とした既習者コース(2年)、法学未修者対象とした未修者コース(3年)に分かれている。
既習者コース第1期修了生を対象に最初の新司法試験が今年5月に行われ、9月21日に法務省が合格者を発表した。全国58法科大学院から2091人が受験し1009人が合格、合格率は48%だった。合格者数が最も多かったのは中央大で131人。ついで東京大120人、慶応大104人、京都大87人だった。
本学法科大学院の合格者は20人で合格率は47・6%と、全国平均をやや下回る結果となった。合格者数は全国13位で、この順位は去年の旧司法試験の順位とほぼ変わらない。
この結果を受けて吉原和志法科大学院長は「全国平均を最低限度の目標とし、そこからどれだけ上回れるかと考えていただけに、この結果は残念。だが、真摯に受け止めなければならない」と話した。現在、受験者と大学院成績との関係やアンケート調査などの分析を行なっており、その結果によっては、カリキュラムの改正なども検討に入れるという。
現在までの原因分析では、基礎知識を問う短答式、論理構成力を見る論文式の2段階での試験形式のうち、短答式の段階で受験者42名のうち9名が不合格という事実から、基礎力を少し疎かにしていたのではないかとの見解がある。短答式不合格者の割合は全国平均を上回ってしまった。
しかし、法科大学院の理念でもある広い視野を育てる授業と、合格のための授業との兼ね合いは難しい。
合格率が伸び悩んだ原因に、修了・進学者の割合が9割では高く、進学の段階でもっと選抜するべきという意見もある。しかし「少人数授業、院生の意欲などを考えれば、1割も落ちるのは多いくらい。実際、落とすのは、思考が法曹に向いてないと判断されたわずかな人たちだけ」と吉原院長は話す。
データを見る限り、首都圏、関西圏の法科大学院の方が優秀な成績を残す傾向がある。これは、学生がその地域に集中しており、学生の選抜がしやすいからだと考えられる。地方はまず受験者の獲得が困難で、本学はその例に当たってしまったともいえる。そのため、受験者確保への対策も重要だ。本学も現在、東京に受験会場を設置、ミニオープンキャンパスと称し、東京で授業風景のビデオを流すなどの受験者確保対策をすすめている。
ただ、学生の質向上も解決の手段の一つだが、大学院側も入学試験で選抜をしているのだから、授業の質向上対策を進める必要があるのは否めない。予備校式の勉強法がすべて悪いということはなく、確かな知識を得るためには予備校式が有効ともいえる。(本紙記者)
