東北大学新聞:

355号 お仕事探訪

今回の「お仕事探訪」は、東北大生の勉学に関わる生協書籍部の仕事を取り上げる。

 文系書籍部の桜井さんは、文系書籍部に配属されて十年以上になる。それ以前は川内北や星陵などのキャンパスで購買部の仕事をしていた。食品や文具を扱う購買部と書籍部の仕事の違いは「本の仕入れから配置、販売まで一連の仕事を任されること」であるという。商品を選定し、仕入れを行う部署が別にある購買部と異なり、書籍部では人文・法律・文芸などの担当分野が決まっており、担当の品揃えの決定から仕入れ、販売、そして売れない本の返却までを一人の職員が行う。「自分で判断して仕入れた本が売れたか売れないかすぐ分かるから、それはやりがいですよね。楽しいというか、励みになる」
 しかしこの「やりがい」を得るためには多くの努力や知識が必要だ。文系書籍部で扱う本は専門的なだけでなく、これから売れる「最先端」の学術書であることが求められる。つまり文系の学問の基礎的な知識に加え「先生方の研究テーマとか学問のトレンド、そういうものを吸収しないといけない」のである。そのため院生から意見を聞く「書籍アドバイザー」制度を設けたり、教員や助手を訪ねて要望を聞く機会を作っているそうだが「自分の努力、自己啓発が一番大事だと思いますよ。自分が知識をつけないとどうしようもない。それにかかっていると思います」という。
もちろん、新人は一般的な文芸書や雑誌の担当から始め、次に法律や経済、そして人文系と段階を踏んで、必要な本を見極める目、コツを学んでいく。だが、そのコツは教えられるものではないのだという。「企画やフェア、一年に一回の本の入れ替えなど、そういう仕事の手順というものは教えられて覚えていくけれど、仕事の内容、品揃えなんかは自分で仕入れて、出して、動きを見て自分で体得していくしかないんですよ」そうして身に付いていくのが売れ筋の本を見極める「目利き」の力なのであり、文系書籍部の品揃えを支えている。
 生協書籍部は今「東北大生にとってなくてはならない存在」になるために東北大生のニーズを知ろうとしている。書籍部への要望を気軽に伝えることがお互いのためとなるだろう。
(教育学部橋本研究室寄稿)

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