東北大学新聞:

春の七草(?)を探す旅

1月7日は、1年間の健康と長寿を願って七草粥を食べる日である。私達も古きよき慣わしにちなんで七草粥を食べよう。七草を探しに行こう。

しかし、改めて考えてみると、七草を全部知らないことに気づいた。ごぎょう、はこべら、すずな、すずしろ。4つしかわからない。友人達に聞いてみる。1人目は「ひとつもわからない」。2人目は「せり、なずな」。3人目は「せり、なずな、ほとけのざ」これで春の七草が全部わかった。3人揃えば文殊の知恵とはよく言ったものだ。
いよいよ七草探しの旅に出発である。坂を下って、橋を降り、広瀬川の河原に出る。
すずな(カブ)、すずしろ(ダイコン)はコープで買うことにする。まさか畑のものを取る訳にはいかない。
はじめに、「はこべら」のようなものを見つける。写真で確認する。ちょっと葉の形が違う気がする。ま、いいか。持ってきた鍋の中に入れる。
続いて見つけたのがタンポポ。食べられる野草だ。七草ではないが、一応鍋の中へ。
その時、ひとりが言い出した。「別に七草にこだわれなくても、自分達でまったく新しい七草を集めればいいのでは?」なるほど。和の伝統を取り入れながらも現代人の味覚にマッチした七草を探そうじゃないか。
さあさあどんどん集めよう。笹の葉。笹団子という食べ物もあるし、毒はないだろう。パンダも食べているし。紫色の草。名前は分からないが、食べられそうだ。
調子が出てきたところで足元を見ると、何やら怪しげな草が。こ、これはもしかして!「せり」だ!「せり」を見つけたぞ!こうして、東北大学新聞セレクション「春の七草(?)」が完成した。
最後にダイコンとカブを買いにコープへ行くと、春の七草セットが売っていた。フリーズドライでお粥に混ぜるだけ。こんなのは邪道だ。でも一応買っておく。
部室に帰って鍋のふたを開けてみる。すぐ閉めたくなった。意外とおいしくなさそう。むしろまずそう。冷静に考えると、これらは雑草だ。雑草を食べるのか?食べられるのか?
気を取り直して七草(?) をゆでてみる。何か青臭い。変な色の汁が出てくる。
恐れをなして、ひとり、またひとりと帰っていく部員達。七草(?) を食べるためにその場に残った勇敢なサムライは、わずかに二人だ。
塩をふって、ついに完成。お粥に乗っけて食べるだけ。見るからに危なそうだ。もう一人のサムライをうかがう。見るからに胃腸が弱そうだ。
ここは発案者でもある私が意地を見せるしかない。
私はついに七草(?) に箸をつけた。ひとくちめ。これは笹だ。間違えて紙を食べた時みたいな気持ちだ。ふたくちめ。これは「せり」だ。舌触りがもしゃもしゃしている。少年時代、おままごとで食べた草の味だった。
その後は、フリーズドライの七草粥をたらふく食べた。

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