東北大学新聞:

ITO微粒子の安定合成に成功

多元物質科学研究所の村松淳司教授のグループはDOWAエレクトロニクスと共同で、インジウム・スズ酸化物(ITO)の安定した微粒子合成に成功した。ITO微粒子はサイズや形態が制御されており、液晶画面などに使われる透明導電膜の製造に適したものとなっている。

 現在、透明導電膜の製造に用いられているスパッタリング法とは、ITOに電子線を当てることで飛散させ基板上に堆積させる方法。導電性に優れた薄い膜が形成できるが、基盤以外にもITOが付着し、使用されるITOの20%しか製品にならないなど、無駄が多く問題点がある。
インジウムを節約して導電膜を製造する技術が研究された背景には、インジウムが国内唯一産出されていた、北海道のインジウム鉱山の閉鎖がある。インジウムの国内での産出がなくなったため、携帯電話などの液晶画面に使われているインジウムを再利用するなどの努力がされている。
微粒子を用いて導電膜を製造すれば、インジウムを浪費せずに作ることができると考えられていた。しかし、従来の微粒子の合成方法では、合成過程で用いられる物質が導電膜の製造時に不純物になってしまい、製品の性能を悪化させてしまっていた。 
 今回の研究はDOWAエレクトロニクスと共同で行われた産学連携だ。以前まで、大学で開発された技術は企業によって買われていたが、技術が高度になるにつれ、企業に技術を正確に伝えることが難しい状況になってしまった。「世の中に新しい技術を広めるためには、企業と共に研究し、伝えていく必要がある。」と村松教授は語った。

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